投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

美少女 羞恥徹底
【学園物 官能小説】

美少女 羞恥徹底の最初へ 美少女 羞恥徹底 50 美少女 羞恥徹底 52 美少女 羞恥徹底の最後へ

葛藤-1

「じゃあ、この子も俺のところに連れてきてくれないか?」

 恵理子は慄然となった。沼口がそれでどうするつもりかは、彼女にもすぐにわかったからだ。

 思春期の少女に異常な偏執を示す沼口だ。恵理子以外にもその犠牲になった女の子がいることは夏に裸婦画を描かされた時に見せられた写真からも明らかだし、これまでに聞いた話から察するに、まだたくさんいるらしい。その沼口が、今度はゆかりにも興味を示したのだ。

 当然、今まで恵理子自身が散々されてきた仕打ちを、ゆかりにもするつもりなのだろう。沼口のギラギラしたまなざしが、それを如実に物語っている。
 今までずっと自分ひとりで沼口からの辱めに耐えてきたが、親友のゆかりにまでその魔の手が及ぶとなるとさらに恐ろしくなる。

「断ったら、わかるよな?」
 言う通りにしなければ、今まで撮られた恥ずかしい画像がことごとく、ネットに晒される。そんなことになったら、もう女の子として終わりだ。今まで沼口からの辱めを耐え忍んできたのは何だったのか。
 だからといって、親友を沼口に売り渡すなんて絶対にしたくない。

「お願いです。ゆかりちゃんは私の大切な友達、いちばんの親友なんです。あの子まで巻き込まないでください。私なら何でもします」
 恵理子は涙を浮かべながら懇願した。
「だから、君には拒否権は無いんだよ」
 頼んで態度を変えてくれるような沼口ではないことは、彼女にもわかっている。

「まあ、名前もわかったんだから、あとはいくらでも、俺の手に落とす方法はあるんだけどね。手間は省きたいんだよ」
 それを聞いて改めて、恵理子は初めての日に見せつけられた、沼口の恐ろしさを思い出した。どこをどう調べたのか、いつの間にか彼女の名前も個人情報も、ひいては行動パターンも把握されていた。顔と名前を知られたが最後、ゆかりにも、たとえ恵理子が何も手
を貸さなくても沼口の魔手が伸びることは予想できた。

 恵理子は今さらのように、卒業アルバムとスマホの写真を安易に見せてしまった、自身の迂闊さ、愚かさを後悔した。だが、もう手遅れだ。

「そんなわけだから、一日だけでいいから、あの子を貸してくれよ」
「一日だけ……ですか?」
「そう、一日だけでいい」
 もちろん一日だけだからいいというものではないし、一日だけという約束を沼口が守る保証だってどこにもない。

「少しだけ……考えさせてもらっていいですか?」
「じゃあ、次の週末には連れてきてもらおうか」
 そうして、とりあえずその場は帰された。だがどうするかは、まだ決められなかった。今日は水曜日だから、週末まではあと3日しかない。

 その日の晩は、卒業祝いとして、両親は豪勢なディナーを用意してくれた。でも今日受けた辱めに加え、沼口の脅しのことで頭がいっぱいで、とても美味しく味わうどころではなかった。15の春を迎えた娘の成長を喜ぶ両親の笑顔にも、心から微笑みを返すことはできない。両親も兄もまるで知らない秘密ばかりだと思うと、花が咲くはずの中学時代の思い出話も、虚ろにやり過ごすことしかできない。家族と一緒に開く卒業アルバムも、すでに沼口の手と目に触れていることを思うと、何か穢れているような気さえする。

 両親には一人で思い出に浸りたいと告げて、彼女は自室にこもった。そして沼口からの脅迫をどうするか、思案した。

 自分の保身のために、親友を売り渡すか。あくまで親友を庇って、自分が破滅するか。たとえそうしたところで、ゆかりが無事でいられる保証はない。
 今日中学を卒業したばかりの、まだ15歳の小娘がひとり背負うには、あまりにも重すぎるディレンマだった。いくら考えても答えは出せない。

 恵理子は悶々としたまま、一晩ろくに眠れなかった。思いつめた少女は、明くる朝、ひとつの決意をした。
「ゆかりちゃん、今日、会える?」


美少女 羞恥徹底の最初へ 美少女 羞恥徹底 50 美少女 羞恥徹底 52 美少女 羞恥徹底の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前