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美少女 羞恥徹底
【学園物 官能小説】

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敷かれるレール-2

 どう説明しようか何日も悩んだが、恵理子は何とか理由をつくって、両親には志望校変更を納得させた。
 両親ともども子どもの自主性を尊重する教育方針で、自分で行きたいと決めた学校を目指せばいいという考えだったから、それ以上、特に詮索されることはなかった。
 担任教師にも話したが、有名な進学校なら別に構わないとでもいうのだろう。何か言われはしなかった。

 だがゆかりには彼女の進路変更を訝しまれる。
「恵理子、どうしたの? あんなに南城に行きたいって言ってたのに」
「ちょっと、事情があって……」
 まさか沼口に強要されたと言うわけにもいかない。
 ゆかりが親友でも「隠し事はなしよ」などと問い詰めてくるようなタイプではなかったことは、まだしも助かった。

 もともと勉強熱心だった恵理子とはいえ、黎星への受験勉強は必死に頑張った。もし落ちでもしたら今まで撮られた写真がネットに流される。女の子として一巻の終わりなのだ。絶対に落ちるわけにはいかない。
 そのおかげか、ただでさえかなり高かった恵理子の偏差値は、さらに向上した。模試でも十分合格圏の判定を出したとはいえ、その結果まで、沼口には報告させられる。

 沼口もそれなりに恵理子の受験生活に配慮しているのか、あれ以来呼び出すことはしていない。パイパンの厳命を守っているかどうか、時折抜き打ちで、時には日を指定して処理の模様を、スマホで送らせるだけだった。
 形の上では滑り止めとして他校も受験する。南城は受けることすら許されていない。沼口の意向通り全部女子高だった。ただし実質的に黎星一本槍も同然だ。

「お母さん、仕事も忙しいんでしょ。私は一人で受けに行くから大丈夫よ」
 あらかじめ母親にそう伝えて、有給を取ってまで受験当日に同伴するのを断っておいた。複雑な思いにかられたまま受験する姿を見られたくなかったからだ。愛情深くはあっても決して過保護ではない恵理子の母親は、娘からそう言われれば無理についてきたりはしない。

「本番、頑張れよ。絶対に落ちるなよ」
 前日に沼口のメッセージが届いた。それを応援と言っていいのかも気が引ける。別の意味でプレッシャーにもなる。
 そして、試験当日がやってきた。落ちたらすべてが終わる。悲壮な決意で、彼女は本番に臨んだ。

 プレッシャーは厳しかったが、今まで一生懸命勉強してきたおかげで大体の問題は普通に 解けた。確かに十分な手ごたえはあった。とはいえ、結果を見るまでは安心はできない。

 受験を終えて疲れた身で家路に就こうとしたとき、沼口からメッセージが入っていた。
「お疲れ様。本当に春から、この姿で学校に通えるかな?」
 以前に撮った、コスプレで黎星の制服を着せられた写真が添えられていた。
「結果次第では、君もおしまいだからね」
 下着を露出した程度のものだとはいえ、恥ずかしい写真の一枚まで加えられているのに気づいて、もし不合格だった場合がいやでも思い浮かび、恵理子は身震いした。

 試験は終わり、もう自分の力ではどうすることもできないから、あとは運を天に任せるしかない。 合格発表の日まで、恵理子は気が気でなかった。怖くて自己採点もできずにいた。
 その様子は家族にも友達にも隠せなかったが、繊細な彼女が、ただ入試結果が心配で気に病んでいるとしか解されなかっただろう。


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