未完の恋-17-1
未完の恋-17
委員長とドライブデート。
「井戸さん運転上手だね。うちのお父さんよりもうまいよ」
車の免許を取った。
パパに、
働くようになったら月賦で返すので、
免許を取るお金を貸してください、と頭を下げた。
「叔父さんに、運転を教えてもらったんでしょ?」
「そう。叔父さんはベテランの路線バス運転手なんだ」
パパは、
保険とか、車に掛かるお金は出してあげるから、
弟に教習してもらってこいって言ってくれた。
試験場で受験してこいって言った。
あいつならちゃんとしてくれるからって。
叔父さんは喜んで教習を引き受けてくれた。
自分が、可愛い姪っ子に教えてやれることは、これくらいだからって。
レンタカーで色んな車種を借りて、取っ替え引っ替え練習した。
バックでパイロンスラロームとか、事故になっても自分が悪くならない運転のコツとか、
プロのテクニックをミッチリ教わった。
「ずいぶん安く済んだんでしょう?」
「教習所だと約30万円。試験場だと4千円くらいで済んじゃったよ。
レンタカー代とか叔父さんへのお礼のお金も、パパに持ってもらったけど」
「すごーい。なんだか教習所に行くのがバカみたいだね。あはは」
「お金が浮いた分、将来二人の車を買おうね」
「ありがとう井戸さん」
委員長は、私に向かって嬉しそうに微笑んでくれる。
眩しい。
ニヤケが止まらない。
美しい委員長の笑顔は、私の一番の宝物だ。
事故なんて絶対許されない!
逸る心を抑え切れないっ!
これでっ!
美人の委員長とっ!
念願のラブホテルに入れるのだっ!!
ィィイ、ヒャッハー!!!