玩弄-2
「じゃあそこから、一枚ずつ脱いでもらおうか」
沼口としては、今回は恵理子自身の手で脱がせるつもりだった。初めての時は力ずくで剥ぎ取ったが、弱みを完全に掌握した今となっては、もう暴力は必要ない。
そして、どうせ清純派美少女のストリップ・ショーを楽しむのなら、制服からはじめた方がいい。そのこだわりが、制服を持参するように言った理由だった。
「また……恥ずかしい恰好をしないといけないんですか？」
彼女は制服姿を見せれば許してくれるのかと淡い期待も抱いていたのだが、さすが甘すぎた。いよいよからだが震えてくる。無理やり脱がされるのと、脅しに屈して自分の手で脱いでからだを晒すのと、少女にとってはどちらの方がより屈辱的なのだろうか。
「いいから、脱げ」
そう促されるとどうしようもない。恵理子は恥ずかしい瞬間を少しは先延ばしにしようと、まず靴下から脱いだ。だが片方ずつゆっくりと取って素足になると、それからは後がない。
「まず、上から脱いでね」
沼口は脱ぐ順番まで指定してきた。
リボンを取り、繊細そうな白い指先でブラウスのボタンを外していく恵理子の動作の一つひとつを、沼口はじっくりと見守る。ボタンが全て外れると、前をはだけた恰好で、いったん脱ぐのを止めさせて写真に撮った。観音開きになったブラウスの左右の身頃の間からブラジャーと白い肌を覗かせて、不安げな表情を浮かべた少女の姿は、これまた見ものだと感じたからだ。
そのうえでようやく、ブラウスを脱衣させた。脱いだブラウスを丁寧に畳んでバッグの上に置き、恥ずかしげに沼口の視線の前に立つ恵理子。
上半身は儚げな乳房を覆うブラジャー一枚、下半身は制服のプリーツスカート。思春期の少女であることを強調するような恵理子のこの姿は、これまた魅力的だ。前の時はスカートから脱がせたから、まだこの恰好は見ていなかったのだ。
チェックスカートの濃い赤と緑のカラーは、胸以外あらわな彼女の上半身の肌の白さを引き立たせる効果もあって、それがいよいよこの姿の魅力を増している。
「その恰好もなかなか可愛いね、恵理子ちゃん。でももういいよ。スカートも脱いで」
頷いてシャッターを切ってから、さらなる脱衣を促す。先にブラを取らせて上半身を完全に裸にすることも考えたが、やはり下着だけの姿は見たい。
上半身を舐め回すような沼口の視線が、今度は下半身に注がれるのかと思うと恵理子もいたたまれない。彼女は背を向けてスカートを外し、いよいよ純白のブラジャーとパンティだけの姿になった。
恵理子は沼口の視線が恐ろしく、向き直るのをためらっていたが、沼口はこの機会に、彼女の後姿の方も観察してみる。
ブラのストラップ部分以外は余さずあらわな背中の白い肌が、天井からのライトをつややかに反射して瑞々しい。華奢なウェストや小さなお尻など、少女らしいからだの線は後姿の方が際立っている気がした。なまじ早熟で色気づいた娘たちより、女子中学生はこうあるべきだという見本のようにも思える。改めてそう感心して一枚撮ってから、恵理子に言う。
「じゃあ、こっちを向こうね。下着はまだ着けておいていいから」
拒んでもどうしようもないと知ってか、恵理子はゆっくりとからだの向きを変える。「まだ」という言葉を聞いて、やはりこの後に裸にされるのだと思うと気分が重くなった。
沼口は一歩分ほどの距離まで近づいて、恵理子のからだを見渡す。
ブラもパンティももちろん純白だったが、何の飾り気もなかったこの前のものとは違って、今日着てきたワンピースとだいたい同じ色の、水色のリボンがお揃いであしらわれていた。
沼口の視線がそこに注がれるのを感じると、恵理子はこれすらダメと言われるのかと気になって、思わず手で隠そうとしかける。
「いいよ、白だったらそんな飾りぐらい」
何もかもが不安げな恵理子の一挙手一投足は、どれ一つをとっても可憐でたまらない。このあまりの純粋さこそ、彼女の美少女としての魅力をいや増しにするものだった。沼口をして、壊したくない、穢したくないと思わしめるものにほかならない。
その表情や仕草の一つひとつまで逃さないように、カメラに収めていった。
「じゃあ、パンツの布地をワレメに食い込ませてくれる？」
恵理子はあらためて恥ずかしさに顔を赤らめる。その恥じらいの表情やためらいのしぐさまで、沼口には織り込みずみだった。拒否するわけにもいかず、彼女は震える指先でクロッチの布地越しに、女性器のかたちを浮かび上がらせた。
「その恰好、ほんとに可愛いくてたまらないよね」
沼口はその縦すじを、食い入るような視線で凝視した。この姿を堪能し、写真に収めることは、この前はやらなかった、いややり忘れて沼口が後悔したことの一つだったのだ。楚々たる美少女は、下半身をあからさまに露出させるより、この恰好で恥じらう方が可愛らしく見えるほどだ。
「じゃあ、制服を着てね」
沼口がそう言うと、恵理子は少し戸惑った。このあと全裸にさせられると思っていたからだ。ともかくやっと恥ずかしい姿から解放されると安堵し、スカート、ブラウスの順で身に着けた。