結婚式、からの…-6
「みんな…帰って来ないですね…」
詩織がポツリと呟く。
俺は時計にチラリと目をやる。
作戦会議の時、タクから言われたことを思い出す。
「俺が有紗と部屋を出てから30分後ぐらいに、詩織と一緒に俺のいる部屋に来い。いいもん見せてやるよ。」
……そろそろ頃合いだな。
「なあ…俺達もこっそりカワウソ覗きに行かない?」
「いいですね!私カワウソって生で一度も見たことないんです。楽しみ!」
詩織は、ウキウキした表情で我先にと階段を登り始める。
俺はその後ろをニヤニヤしながらついていく……
---
そして、詩織が階段を上った先のドアをソーッと開けると…
ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!
「ああっ!やんっ!ダメッ!ああんっ!」
そこにいたのはカワウソではなく、裸になった有紗とタク。
有紗はタクに抱きかかえられ、いわゆる駅弁の体勢でタクから激しく突き上げられている。
有紗のきちんとセットされた髪は乱れ、そのスタイルの良い身体はすっかり力が抜け、タクにしなだれかかっている。
そんな有紗の姿から放たれる色気が、俺の股間を熱くする。
「ウソ………」
詩織は大きな目を見開き、口をあんぐり開けて呟く。
「………見なかったことにして、ドア閉めよっか……」
俺は詩織にそう呟いた。
正直言うと、タクの激しいプレイに乱れる有紗の姿はフェロモンムンムンで、ずっと見ていたいと思えてくる。
しかし、こんなところで時間を潰していると、詩織との“お楽しみ”の時間がなくなってしまう。
俺と詩織はドアを閉め、元いた部屋に戻った。
「ヤバかったね。」
「びっくりしたあ……」
「ケイと真由の様子も見に行く?」
「………なんか怖いからイヤ……」
「……まあそうだね。」
それから少しの間、無言の時が流れる…