隠し部屋-6
6.
いきり立った持ち物をお紺の腹の上に乗せると、腹が細いだけにいつもより太くなっているかのように感じる、だが、ここに至ってはその光景も吉兵衛を更に奮い立たせる。
「う……ぐ……」
吉兵衛が浅く挿入するとお紺は小さく呻いた。
亀頭を挿れただけでその狭さがわかる、吉兵衛は奥まで挿れずに浅い所で細かく腰を動かす。
「あ……う……」
お紺は幼くとも吉原の遊女、はしたなく嬌声を上げるようなことはない、しかし、それをこらえている様子は隠しようがない、すべすべの眉間に深いしわを寄せ、息遣いもはっきりと荒くなっている。
「痛むか？」
「大丈夫でありんす……」
「これは感じるか？」
「あああああああああっ！」
吉兵衛が小さく腰を使いながら親指で陰核をねぶってやると、更に溢れ出した泉は一杯に広がった膣口から漏れ出した。
それを合図にしたように、吉兵衛はお紺の中にマラをゆっくりと押し込んで行く。
「あうぅぅぅぅぅ……」
お紺は強く背中を反らし、肩までも布団から離してしまう。
「こ、これは……まるで肉を掻き分けてねじ込んで行くようだ」
「はぁ……はぁ……はぁ……」
行き止まりまで達するとお紺は背中を布団に落とし、その代わりに敷布を強く握りしめる……。
「苦しいか？」
「大丈夫で……うう……」
「堪えることはない、私は女の嬌声を聴くのが好きなんだ、可愛い声を聴かせておくれ」
「あああ……大きい……あちきの腹の中が旦那様のモノで一杯になってるでありんす」
「無理に廓言葉を使わないでも良い、私の前に自分をさらけ出しておくれ」
「く……苦しい……でも、気を遣りそう……」
「苦しいけど良い、そうなんだな？」
吉兵衛は腰を使い始めながら言った。
「あい……あそこが張り裂けそうなくらいなのに……」
「それは私も感じるよ、こんなに締め付けられたのは初めてだ」
「ああっ……熱い鉄の棒で串刺しにされたような……」
「もっとお前の深い所まで行きたい」
「ああああああああっ」
吉兵衛が腰使い始めると、お紺は再びその華奢な背中を大きく弓なりに反らす、吉兵衛は浮いた腰に手を回し、軽く抱え上げると膝立ちになって腰を叩きつけて行く。
「あぐぅぅぅぅぅぅ……すごい……」
「お紺、素晴らしいぞ、お前の身体は素晴らしい……」
「も、もっと……」
「もっと強くか？ もっと速くか？」
「ど、どっちも……」
「わかった」
「いぎぃぃぃぃぃぃっ！」
吉兵衛は腰を目いっぱい速く、強く使い、お紺の奥深くへ精をぶちまけた……。
吉兵衛は横たわるお紺を見下ろしていた。
「ひっ……はっ……ひっ……はっ……ひっ……はっ……」
お紺の息遣いは断続的で息を吸い込む時には喉の奥が鳴るほどだ。
そして、その息遣いに合わせるように身体は痙攣し、目は焦点を失っている。
吉兵衛はその側に横たわると、そっとお紺の華奢な肩に手をやる、するとビクンと反応したが、すぐに抱きついて来た。
吉兵衛はお紺の身体を抱えると仰向けになった。
激しい息遣いで胸が押し付けられる、そのささやかに膨らみかけた胸を、吉兵衛は愛らしいと感じ、これほどになるまで自分を受け入れ続けてくれたお紺を愛おしいと感じる。
そしてしっとりと張り付いて来るようなきめ細やかな肌、折れそうに細い背中、華奢な腰の抱き心地を手放したくないと思う。
息が静まって来ると、お紺は寝息を立て始めた。
本来ならば遊女が客の前で眠るのは恥とされる、しかしお紺の歳、未熟な身体で精一杯吉兵衛を受け入れ、激しく痙攣するほどに気を遣ったことを考えれば無理もない、寝息を立て始めたお紺の顔……登って来た時のいっぱしの遊女の顔、交わっていた時の乱れた顔、それとは打って変わって子供の顔に戻っている。
吉兵衛はさらさらと艶やかな髪をそっと撫でながらそのまま抱き続けていた……。