隠し部屋-5
5.
吉兵衛はしばらくの間、その小さく華奢な、そして熱い身体の抱き心地を楽しんでいた。
すると、お紺は吉兵衛の下帯に手を伸ばして来る、吉兵衛が自分で結び目を解くとお紺は脇から手を差し入れて、ちょっとぎょっとしたように手を引っ込めた。
「……大きいか？」
「……あい……」
「受け入れられそうか？」
「多分……」
自信なさげな答え、と言うことは今まで相手して来た中で一番大きいと言うことに他ならない。
だが、吉兵衛もこのまま矛先を収めることなどできはしない、ならばできる限りお紺の身体を開かせる必要がある。
吉兵衛はお紺を布団に仰向けにするとしごきを取り去って襦袢の前を開いた。
お紺の肢体が明らかになった。
簡単に折れそうな細い首から華奢な肩へと続く線、ささやかな胸から、脂というものがまるで付いていないすっきりとした腹へと続く線、折れそうに細いもののまだくびれが目立たない腰からどこに筋肉がついているのかと思うような脚へと続く線、どれをとってもなだらかな曲線を描いている、充分に丸みを帯びた大人の身体とは違うが、それとはまた違った美しさがある。
更に腰巻も取ると、内腿の間にはまだ毛も生えていない柔らかな丘にくっきりと刻まれた割れ目……その中には最前指で確かめた狭い膣が隠されている、何度それをしたかは知らないが男のモノをしっかりと締め付けて精を絞って来た膣だ。
吉兵衛を見つめているのはまだ幼さが色濃く残る顔……だが、間違いなくこの娘は吉兵衛の愛撫で気を遣った、女の悦びを知っているのだ、それでいて吉兵衛のモノを受け入れられるか、いささかの不安もにじませている……。
吉兵衛は高ぶる気持ちとお紺の身体を思いやる気持ちの間に揺れる……。
と、お紺が吉兵衛に向かって手を伸ばして来て、吉兵衛がお紺の顔を覗き込むと首に腕を回して来た。
今度はお紺から唇を重ねて来る……お紺も没頭して来た証だ、ならば……。
「咥えきれない……」
千鳥の曲、お紺は仰向けに横たわる吉兵衛の脇に膝をついて吉兵衛の股間に顔を被せている、そしてそれを咥え込もうとするが吉兵衛のモノはお紺の唇には少し大きすぎるようだ。
「無理に咥えなくても構わないよ、亀頭に唇を被せて舌を使ってくれれば良い」
「……これでようござんすか？」
「ああ、なかなか上手いぞ、舌先も小さいからかなり良い……」
「あ……」
マラを舐めさせながらも、吉兵衛の指は休まない、お紺の尻を撫で、そのまま女陰へと指を滑らせると、お紺は一瞬唇を離して小さく声を上げたが、すぐにまた舌を使い始める。
「良いぞ……このまま続けてもらえば唇だけで果てそうだが、この歳では精に限りがあるからな、唇を離して良いから私の顔に跨っておくれ」
「そんなことは……」
「私がそうして欲しいんだよ」
「さ、さいざんすか？」
「『石清水』だ、やったことはあるか？」
「いえ……まだ……」
「そうか、女にとっては随分と良いものらしいぞ」
「で、でも、恥ずかしゅうござんす」
「その心持ちもまた刺激になると言うな」
「で、では、失礼いたしやす……ああ……」
お紺は既に客を取っている身とは言えまだまだ経験は浅い、客の顔に跨り全てを眼前に晒すと言うのは相当の羞恥を伴うらしい、それだけで小さく声を漏らす。
「可愛らしい女陰（ほと）だ、中も良く見せておくれ」
「え？……あああああっ」
吉兵衛が両の親指で女陰を開くと、のけ反るように身もだえした。
「奇麗な桜色だ、使い込んでいないな、どれ、一番敏感なところを舐めてやろう」
「あひっ……」
吉兵衛の舌先が拡げられて剥き出しになった陰核を弾くように舐め上げるとそのまま後ろに倒れそうになる。
「おっと、それでは舐められない」
「あああっ……あああ……あああああっ」
吉兵衛はお紺の手を取って自分の顔の横に付かせる、お紺は腰を浮かして舌先から逃れようとするが、吉兵衛は腰を掴んでそれを許さない。
「お、お赦しを……頭がおかしくなりやす」
「……」
吉兵衛はその訴えに耳を貸さずに舌を使い続ける、膣前庭から陰核へ、そして膣口から前庭、陰核に至るまで一気に……『石清水』と言う呼び名にたがわずお紺の中から泉が湧き出した。
「も、もう駄目……逝きやす……」
（ここだな）
吉兵衛はお紺を仰向けに寝かすと、脚を開かせてその間に膝を付いた。