投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

隠し部屋
【歴史物 官能小説】

隠し部屋の最初へ 隠し部屋 3 隠し部屋 5 隠し部屋の最後へ

隠し部屋-4

4.

「あちきはこの楼の女、今宵は旦那様に買って頂いた身ざんす」
 吉兵衛がお紺の顔を見下ろすと、すがるような目つきで見上げて来る。
「女の悦びを知っているのか?」
「まだしかとは……教えて頂きたく思いやす」
「そうか……」
 吉兵衛は腰に廻していた手を胸元へと差し入れた。
 着物の上から見ればほとんどふくらみのない乳だが、触れればほんのりと柔らかい。
 揉むほどの嵩はないのでさするように愛撫してやる、すると次第に乳首が固く尖って来る、それを指で挟むようにしてやるとお紺の唇から小さく声が漏れた。
「感じているのか?」
「あい……お恥ずかしゅう……」
 吉原の遊女にとって、感じている姿を客に見せることは恥とされる、佳の川も敏感な身体を持っていてそれを隠す事は出来なかったが、むしろそれは吉兵衛に取って好ましいものだった、女が感じている姿を目の当たりにし、押し殺しても漏れてしまう声を聴き、熱く火照って来る身体を抱いているのは男に取っても至福の時、佳の川を贔屓にしていた理由の一つだ、ましてまだ蕾のようなお紺だ、蕾を開かせることに悦びを感じない男はいないだろう。
「構わないよ、可愛い声を聴かせておくれ、その方が私も嬉しい」
「でも……」
「私はね、女を感じさせて喘ぐ姿を見たり声を聴いたりするのが好きなんだ」
「あ……は……」
 吉兵衛の言葉を聞いて安心したのか、お紺の唇からはっきりとした喘ぎ声が漏れた。
「こっちへ」
 吉兵衛はお紺を軽く抱き上げると胡坐をかいた股ぐらにその小さな尻を落とし込んだ、そして左手でお紺の頭を支えて顔を寄せて行く、そして少しづつ開いて行く小さな赤い唇に自分の唇を被せて行った。
 唇を重ねたまましごきを緩めるがまだ完全に解きはしない、この小さな体が少しづつ露わになって行くのを楽しみたいのだ、そしてお紺の興奮をゆっくりと高めて行くためでもある。
 お紺のささやかな胸が露わになり、襦袢の裾から細い大腿が露わになる。
 見慣れた佳の川の身体とははっきりと違う、ふくよかな印象や柔らかな感触は望むべくもないが、これほどまでに華奢な身体は大人の女には望むべくもないのもまた然り。
 儚ささえ感じるこの小さな体をこれから抱こうとしているのだと思うと、大人を相手にする時とはまた違う高まりを感じる。
 吉兵衛は左腕を滑らせて二の腕でお紺の頭を支えると掌で胸を擦り、右手は露わになった大腿に滑らせる。
 お紺の息が荒くなってくるのが唇越しにわかる、鼻から吐かれる息も熱を帯びて来ているようだ。
 お紺は生娘ではないと言った、確かに男を知っている女の反応だ……幾人の男の相手をして来たかは知らないが、女としての悦びを知っていて、なおかつ慣れ切ってはいない、そんな反応でもある。
(ひょっとすると、幼くとも悦びを知り始めている今が、この娘の旬のはしりなのかも知れないな)
 吉兵衛はそんなことを思いながら右手を外腿から内腿へと滑らせて行く、お紺の息遣いは更に荒くなり、嫌々をするようになったので唇を離した、だがそれと同時に右手を内腿から女陰へと滑らせて行った。
「あっ……」
 お紺が少し大きめの声を漏らす、そこは既にねっとりと濡れていた。
「良いぞ、もっと感じなさい、もっと喘ぎなさい」
 吉兵衛はそう囁きながら、中指を膣内へと差し入れた。
「あああっ……」
「おお……これは……」
 お紺の膣は狭い、中指一本でも充分な締め付けを感じる。
 吉兵衛は早くこの中に自分のイチモツを収めて腰を振りたいという心持になったが、同時に懸念も感じた。
 吉兵衛はバケモノじみて大きいと言うほどではないが、大きめの体に見合う以上のモノを持っている、いままで相手して来た遊女のほとんどに『立派』だと言われて来た。
 そう言われることは悪い気はしない、むしろ誇らしいような心持ちになったものだが、お紺は指一本でも締め付けて来る、それよりも何倍も太いモノを受け入れられるのだろうか……生娘ではないとしてもまだそう多くの男を知っているわけではない様子だ、その誰よりも大きいとしたら……だがここまで来て諦めるのもちょっと無理な話だ、お紺の尻を感じて既に吉兵衛の息子は臨戦態勢万端なのだ。
 となれば、今吉兵衛がお紺にしてやれることは一つしかない、出来るだけ濡らして受け入れやすくしてやることだ。
 挿れるのは指先だけに留めて、陰核もたっぷりと触ってやるとお紺はさらさらした愛液を出し始める、絶頂が近い印だ、行くなら今かとも思ったがまだ夜は長い、吉兵衛は一回お紺を果てさせることにした。
 指の動きを速くして行くとお紺の身体はがくがくと震え始め、さらさらした愛液が指を伝わって襦袢に垂れ始める、更に乳首を責めて行く。
「は……ああああっ…………」
 お紺は突然身体を強く反らしたかと思うと、身体から力が抜けた。
「気を遣ったな……」
「あい……申しわけ……」
「なんの、こうしてやろうと思ってしたことだ、私は満足してるよ」
「そ……そうですか……」
 本来なら『さいざんすか』と言うところだ、地が出始めている、本気で逝った印だ。
 吉兵衛はお紺を布団に横たえると、下帯だけを残して自らも着物を脱ぎ捨てた。
 そしてお紺が横たわる隣に添い寝してやる、するとお紺は抱き着いて来た、まだ火照りの残る身体は熱く、互いに剥き出しになった胸をぴったりと重ねることで心の臓の鼓動も伝わって来る。


隠し部屋の最初へ 隠し部屋 3 隠し部屋 5 隠し部屋の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前