後編 (2021/05/31)-2
「家ではどんな感じだったの?」
「えっと・・・、
握って動かしていたんですけど、
なかなか出てこなくて。
そのうち、疲れてやめちゃいました・・・。」
「そっか、そうだったのね・・・。
残念だったわね。」
「いえ、大丈夫です。
また今夜試してみます。」
浩平はいたって真面目な顔で答えた。
「そうね、それも良いけど・・・、
もう一回、一緒にやってみる?
その方が安心できると思うんだけど。」
美咲は優しい口調で話した。
「え?
先生、いいんですか?」
「もちろんよ。
もう既に一回協力してるんだから、
後は、もう何回やっても同じことよ。
それに、これは浩平くんと私の秘密だから。」
既に一回してるから、後は何回しても同じこと。
二人だけの秘密。
・・・美咲は浩平が乗ってきそうな言葉をわざと使った。
「そっか!
そうですよね!
昨日一回してるんだから、もう何回してもいいですよね?
秘密だし。
先生・・・、
僕・・・・・、また先生に協力してもらいたいです。」
浩平の答えは美咲が希望した通りのものだった。
「分かったわ。
じゃあ、もう一度一緒にやってみましょう。
放課後に保健室でするから、
それまでは授業に集中するのよ。
いい?」
美咲の言葉に浩平は大きく頷いた。
* * *