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「豹」
【女性向け 官能小説】

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「豹」-1

タツの横顔が好き。
だって正面からでは恥ずかしくて見てられないんだもん。
横顔をそっと見る。細く鋭いまなざしがたまらない。

タツは男っぽい人。
女に媚びない。優しくなんかしない。
優しい言葉なんか持たない人。
だからこそ誠実さを感じるの。
だって、1日何度も携帯メールなんか送ってくる人って
他の女にもそんなことしてそうじゃない。
タツは違うの。クールな人なの。
彼が好きなのは車のレース。
彼が夢中なのは仕事。
大事にしているのは職場の同僚と部下。
そして、熱烈な大ファンのわたしにも
たまに・・・年に1度だけ会ってくれる。

知り合って3年目になるのに、会うのは3回目。
ほんと笑っちゃうけど、そんなタツが大好きなの。

今回は初めて夜に会ったの。
夕方仕事が終わってから
忙しいのに時間を作ってくれたの。
わたし涙が出るほど嬉しかったんだから。
でも、タツってあまりおしゃべりじゃないし
わたしも照れちゃう性格だから会話にならないの。

自然にタツの部屋にお邪魔するってことになったの。
想像通り殺風景な部屋で
テレビとパソコンの置いてあるテーブルとベッドだけ。
何の会話もなくベッドに倒れこんだふたり。
クールなタツだもの優しくなんかしてくれないだろうなって
想像していたけど、ほんとその通り
男だわ。媚びない男。

ベッドに押し付けられたわたしは
抵抗する気なんて全くなかったのに
両手首をつかまれたの。
唇を舌で押し広げられ
すごく激しいキス。
そんなに強くしなくても
わたし逃げたりしないのに
強く手首をつかんで両手を上に上げる。
タツは片手でわたしの両手首を握り
シャツのボタンをはずそうとしている。
このままじゃボタンがはじけて、帰りの電車で困ってしまう。
だからわたし、「自分で脱ぎます」
って小さな声で言ったの。
「あ。ごめん」
とタツは放してくれたわ。

ベッドに座って少し震えながらボタンをはずすわたしを
壁にもたれてタバコを吸いながら見ている。
白いシャツと紺のスカートを脱いで下着姿になったわたし。
「灯りを落としてもらえると嬉しいんですけど」
タツは「ああ」って消してくれた。
そして、タツはシャワールームに消えた。
脱がしてもらえると嬉しいけど
乱暴に破られちゃいそうだから
自分で全部脱いでしまったの。

すっかり裸になってベッドにもぐったんだけど
落ち着かない気持ち。
タツに関しては先が読めないから少し不安。
タツはシャワーを浴びて来てくれた。
捕まる前に「じゃ、わたしも」ってベッドを出たの。

野生の男ってこんなふうにするんだ。
わたしはあまりの激しさに驚いちゃった。
タツはやさしく愛撫なんかしない。
自分のしたいように乳房をつかみ吸う。
身体に跡が残りことを気にもしない。
わたしの肌の柔らかさを手と口で存分に楽しむ。
それでも、時々目を覗き込むのは
わたしの心も支配したいってことかなぁ。
胸を覆う私の手を払いのけるとき
鋭いまなざしでわたしを見た。
どきっとした。
強く美しい雄だった。
無抵抗に彼のやりたいようにさせてあげた。
さんざん表を楽しんだ彼は
乱暴に裏返し背中とお尻を味わう。


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