古本の書き込みから-3
僕は「覚えてる」と言った。
『すべり台の問題』……それは学童向け雑誌に出てた、ふたりともひっかかった問題だった。
……にゃんこチャンは、10メートルのすべり台の坂をのぼっています。
ところがにゃんこチャンは、5メートルのぼると4メートルすべり落ちるので、1回に1メートルしかのぼれません。
にゃんこチャンは、すべり台を何回でのぼれるでしょう?……
「あれ……」僕は言った。
「6回めでてっぺんに着くんだよね。」
「なんか……」キョウ子が言った。「あの問題のにゃんこみたいに……ブンイチのチンポ…… いったりきたりしながら…… 私の奥に近づいてるの感じる……」
僕は片腕でキョウ子を抱き寄せた。
そしてもう一方の腕を伸ばして、先っぽがキョウ子のワレメに隠れてるチンポを、人差し指と中指ではさんだ。
そして、その指を小刻みにトレモロを奏でるように動かした。
「や、いや…… そんな変な動かしかたしないで……」
キョウ子が急に抱きついてきた。
「痛いの?」僕が聞くとキョウ子は首を振って「い……痛くはないけど、なんか……なんか身体の中で揺れてるのが、くすぐったくて怖い……」
僕は
「せっくすのとびら、たたいてるよ。」
なんて言ってみた。
「いや…… それ言わないで……」
「……どうして?」
「これから先、私……『青春』を『せっくす』って読んでしまいそうだもん。」
「それでいいでしょ。キョウ子の『青春』はせっくすだもん。」
「……恥ずかしい……」
「キョウ子のココロのナカは『せっくす』でいっぱい。」
「……お願い……言わないで……」
「でも、キョウ子の『せっくすのとびら』は僕のものだもん。」