有希と健一 -アパートの一室で-(2021/05/01)-14
いつものように、健一がオナニーを始めた。
有希は机に置いた新しい鏡で、健一の様子を見る。
新しい鏡は手鏡に比べてずっと大きいので、
これまでとは比較にならない程、はっきりと見える。
有希と健一は何度も目が合った。
こんなによく見えるなら、もういっそのこと・・・。
有希は思い切って、鏡越しに健一に話しかけた。
「ねえ、健一くん。」
健一の動きが止まった。
「私に・・・・、
見てもらいたいのよね?」
「・・・・。」
「健一くん・・・、
オナニーを見て欲しいんでしょ?
私、振り返って、直接見てあげよっか?」
有希が優しい口調で話しかける。
「そんな・・・、
・・・・僕、恥ずかしいよ。」
「そう?
でも・・・、
健一くんはその恥ずかしい感じが好きなんじゃない?」
健一は戸惑いを見せつつ、頷いた。
「・・・う、うん。
僕・・・・、そうかもしれない。」
「そうよ、きっとそう。
だって、そうでなきゃ、
今みたいなこと、してないわ。」
「・・・うん。
・・・そうだよね。
そうなんだと思う。」
健一は神妙な感じで返答した。
「健一くん、正直に答えてくれてありがとう。
私、健一くんのオナニーを直接見てあげる。」
「で、でも・・・。」
健一はまだ躊躇している。
「健一くん、私も正直に言うわね・・・。
私はね、健一くんがオナニーしている姿を
見たいんだと思うの・・・。」
「え?
そう・・・なの?」
「ええ、そうよ。
本当。
健一くんは見てもらいたい、私は見てみたい。
ぴったりの関係。
だって、そうでなきゃ、
これまでみたいなこと、続いてないわ。
そう思わない?」
「・・・・・うん。
そうかも・・・。」
「そうよ、そうなの。
だから、ね。
見てあげる。」
有希はそう言うと、くるりと椅子を回して後ろを向いた。
* * *