僕と社長と不思議な彼女-6
「よ……よろしくお願い致します……………ん?」
この甘ったるい声
そして、少し胃がもたれる感じの喋り方
どこかで聞いた覚えがある
「どしたのぉ?」
「いやぁ……そういえば梓さん、どこかで僕と会いました?」
梓は少しキョトンとした後、あぁ!とうなづいた
「あれだよぉ、キミが飛び降り自殺しようとした時だよぉ
いやぁ、あれはアタシが止めなかったら逝ってたねぇ」
間違いない
あの時の声の主だ
「その節はどうも……」
「何がぁ?」
え?
いやいや
「だから自殺を止めてくれた件ですよ」
「あぁ、あれねぇ
いやぁ、あれはアタシが止めなかったら逝ってたねぇ」
あれ、デジャビュ?
「………まぁ、ありがとうございました」
「何がぁ?」
…………
これからコレの相手をするんですか!?
無理無理、無理ですって
喋る度に消化不良になりますて!!
これだけは無理です冷さん!!
葉月は、縋るような目付きで冷を見た
が
「…………」
目を逸らされた
「酷いぃ!!」
「何が何がぁ?」
「……………」
「ねぇ、なんで黙ってるのぉ
ねぇ、お姉ちゃんったらねぇ」
「うぅぅ……胃が……」
大丈夫!宮島葉月、チャームポイントは『アイアンストマック』
実は結構胃が丈夫!
「シクシク……社長……胃潰瘍は労災降りますか?」
「………………善処するわ」
丈夫なのだ!(泣)
つづく?