コンクリートの階段を踏んで-2
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脚とお尻のあいだに、何か丸いものが押しつけられた。
それはいきなり私のお尻の周りを小刻みに揺さぶった。
私の腰から下に、くすぐったさが走る。
私は脚のチカラが弱まって、コンクリートの床の上で馬のような姿勢になった。
(いや…… こんな気持ちよさ…… 私のカラダに隠れてたなんて……)
私はコンクリートの床の上に、うつ伏せになってしまった。
パチッ! ジーッ……
それを狙ってたようにインスタントカメラが動いてる。
「ほら、お嬢ちゃん。こっち見て。」
男のひとの手が、私のカラダを持ちあげた。
私は背負ってるランドセルで、背中を持ち上げられるカタチであお向けにされた。
男のひとの姿を、その時初めてみた。
男のひとは白衣を着て、顔全体がサングラスのような銀色のプラスチックのマスクでおおわれていた。
「今度は、前からやってやるよ。」
男のひとは、私のおへその下に手をのばした。
あの小刻みな揺れが、私のお股の間にくすぐったさを走らせる。
お尻の方からの揺れよりも、前からの揺れは腰から下のチカラを奪っていく。
私は天井の、屋上への出入り口からもれる光を見つめていた。見つめながらいつの間にか、その揺れがもたらすくすぐったさを黙って味わっていた。
男のひとはカメラをかまえて、私の真上からフラッシュを照らした。
「気持ちいいんだね、お嬢ちゃん。もう、自分でここをいじる癖がついているんだね。」
恥ずかしかった。その通りだった。
恥ずかしくって顔を横に向けた。そんな私の頬を男のひとがつついた。
「いいのやるよ。くわえてろよ。」
(え……?)
男のひとは私の唇に、火のついたタバコを押しいれてきた。
私のカラダに、タバコなんてモノが備わったのは初めてだ。タバコの煙はまっすぐ天井にのぼり、屋上への出入り口のあたりにたまっていった。
「それじゃ、俺も気持ち良くなりますか。」
男のひとはそう言うと、白衣の前を少し開いておチンポをつまみ出した。