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荘太の性長
【その他 官能小説】

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夏休み(一日目)-1

あっという間に夏休みの初日だ。

親方とおかみさんは朝から5泊6日で旅行に出発する。咲月さんと荘太は二人で見送る。

「あんまりだらしない生活しないのよ。荘太君、咲月の事しっかり見張っていてね」
「もう!お母さんたら荘太君も困ってるじゃない」
「なんも、なんも・・・お嬢さんの事はしっかりとお守りいたしますので楽しんできて下さい」
「じゃあ、頼んだぞ!」

「ふーっ、行った行った。荘太君も普段こき使われてるんだからゆっくりしてね。わたしの事は構わないでいいから・・・あっ、ご飯だけは作ってくれるとうれしいなぁ!」
「はい!まかないは任せてもらっているので頑張ります!」
「よろしくねっ!わたしはもうちょっと寝ようかな」
「ゆっくり休んでください。お昼は用意しときますんで」
「簡単でいいからね!ありがとう!じゃあよろしくね!」

荘太は生活のリズムを崩したくなかったので部屋の掃除やら教わったことをメモしたノートの整理などをして午前を過ごし昼食の準備に入る。

準備は終わったが起きてくる様子が無いので先に昼食を済ませてまた部屋にこもっていると、しばらくしてコンコンと扉をノックされる。

「荘太君?いる?」
「はいっ!」
「開けるね」
「どうぞっ」
「お昼ありがとうね!美味しかったよ!ところでさ、せっかくの休みなのにどこにもいかないの?外は暑いけどいい天気なのに・・・」
「せば、北海道なもんで暑さにはからっきしで・・・」
「そうか、じゃあさ夕方から少し出ようよ!近場で良い所案内するからさ、夜は少し呑みに行こうよ」
「なんも、なんもオラがお嬢さんと出かけるだなんてそったらこと・・・」
「嫌なの?」
「とんでもねぇ・・・なんだかえらく不釣り合いな気がするもんで・・・」
「年もほとんど違わないんだから不釣り合いだなんてことないでしょ。荘太君は結構イケメンだし」
「そ、そ、そったらことねぇです・・・おらなんて・・・」
「じゃあ行くよ!16時に玄関ね。分かった?」
「は、はいっ」

有無を言わせぬ咲月の勢いに押されてしまった格好だが、咲月と二人で出かけるという思ってもいない幸運が舞い込んできたように荘太は感じた。

16時少し前・・・少し早いが玄関先で咲月を待っていると浴衣姿の咲月が出てきた。

咲月は荘太でなくても見とれてしまうような美しさだった・・・

しばし呆然とする荘太に対し・・・

「いかにも夏って感じでいいでしょ?」
「は、はい・・・あんまりにも咲月さんがまぶしすぎて・・・ほんとにオラなんかとでいいんでしょうか?」
「何言ってるのよ、じゃあそこら辺の男をナンパしろとでもいうの?つべこべ言わずに行こ」

咲月はさっさと歩きだす。その後をくっついて歩き出す荘太・・・
「ねぇ、並んで歩こうよ。今日は親方の娘さんと職人さんじゃなくて友達の荘太と咲月だよ!わかった?」
「は、はいっ」

バスと電車を乗り継いでやってきたのは浅草。浅草寺などをめぐって食事は老舗の料理屋へ。ここの親方は昔からの知り合いで咲月の事を子供のころから知っているそうだ。美味しい料理を笑顔で食べる咲月は本当に美しく、荘太はこの瞬間が永遠に続けばいいなぁと密かに想うのだった。

店を出ると辺りはすっかり暗くなっているもののまだまだ暑い。
「ちょっと歩こうか?すぐそこが隅田川の土手で遊歩道があるんだ」
「はい」

街中と違いそよ風がふく土手は心地良い涼しさだ。雰囲気もある・・・

並んで歩いていた咲月の手が荘太の手に触れた・・・
「す、すんません・・・」
「ん?私から触れたんだよ?手つなぐの嫌?」
「なんも、なんも」
「じゃあ手、つないで歩こう?」

咲月の真意を測りかねる荘太。だが生まれて初めて憧れの女性と手をつないで歩くという行為に完全に舞い上がってしまい、震えまで出てきてしまった。

「もうっ、そんなガチガチにならないのっ。女の子と手をつなぐのなんて初めてじゃないでしょ?」
無言で首を振る荘太。
「えっ?ホントに?女の子と付き合った事・・・無いの?」
「すんません・・・」
「なんであやまるのよ・・・別に良いのよ。でも好きな子とかはいるんでしょ?」
「へっ、あっ・・・いや、あのっ、そったらこと恥ずかしくて・・・」
「なによ、言いなさいよ・・・どうせ向こうの人でしょ?私、知らないんだからいいじゃない?」

また無言で首を振る荘太。
「えっ、こっちの人?ひょっとしてわたし?なんてね・・・誰?」

冗談ぽく言った咲月だが荘太の顔を見て分かったようだ・・・

「え?ほんとに?私なの?」
今度は無言で頷く。顔から耳まで真っ赤になっている・・・

「わたしなんか・・・でもありがとう。うれしいよ」
「おら、こったら恥ずかしい事・・・」
「でもねちゃんと付き合うのは無理だと思うよ。親父さんは弟子と娘がつきあうなんて絶対に許さないって言ってたことあるから。わたしもねそう思ってるから・・・」
「分かってます。ちゃんとわきまえます・・・」


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