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荘太の性長
【その他 官能小説】

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銀座での修行の始まり-1

1年前のことだった・・・

荘太の元に両親が交通事故にあったという連絡があった。二人ともほぼ即死の状態・・・

高校を卒業後、家業の料理屋で板前修業中の荘太は一人ぼっちになってしまった。悲嘆にくれる荘太を親身に支えてくれたのは幼馴染の潤子だった。

半年後、身辺整理や気持ちの整理がついた荘太は東京で板前修業の続きをする事を決心して潤子に打ち明けた。潤子は幼馴染でずっとそばにいて、密かに想いを寄せていた荘太がいなくなってしまう事は嫌だったが荘太が決めた事だからと賛成した。

東京での修行は親の料理人仲間のツテを頼って銀座の名門老舗「富田」で住み込みで働くことが決まり、住んでいた店舗兼住居を整理し、いよいよ東京へと出発した。

初めてきた東京。空港まで「富田」の親方とおかみさんが迎えに来てくれた。

「富田」は銀座の中心から少し離れた静かな路地にあった。昔ながらのこじんまりとした店構えながらも老舗の風格を感じる。

住居の玄関から中に入り、住居となる部屋へ。畳敷きの10畳ほどの部屋が荘太の新しい「城」だ。元々物欲の無い荘太には広すぎるくらいの部屋だ。住み込みは荘太だけのようだ。すでに届いている少ない荷物を押し入れにしまい親方の元へ。

居間で親方とおかみさんに改めて挨拶する。
「荘太です。一人前目指して精進しますのでこれから宜しくお願いします」
「いろいろ大変だったと思うが、これから一生懸命頑張るんだぞ。俺たちは弟子の事は子供だと思っているからな。何でも相談するんだぞ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、店に行こうか。もう皆来ているはずだ」

店へ入ると従業員が並んで待っていた。親方が一人ずつ紹介していく。

脇板の山岡さん。この店で親方の次の序列だ。

そして焼き方見習の赤柳さん。いままでは板場でどんじりの立場だったので焼き方見習とはいえ雑用全般やらされていて荘太の加入でどん尻脱出で一番喜んでいるそうだ。

仲居の仕事はおかみさんが切り盛りして手が足りないときは娘さんが手伝うこともあるようだが今日は遊びに行っていていないようだ。

「じゃあ、明日から頼むぞ!」
「あ、あの今日は?」
「疲れているだろうから明日からでいいぞ」
「なんも、なんも・・・今日から頑張ります!」

「なんも、なんも?」
「あっ、すいません。つい地元の言葉が・・・」
「まぁ、地元の言葉が出るのは仕方がない。いずれ治るだろうからな。じゃあ今日から頼むぞ」
「はい!」

こうして荘太の板前修業が始まった。

まずは追いまわしという立場で材料の買い出しや、野菜を洗ったりする下準備。そして洗い場が当面の仕事だ。余裕がある時に少しづつ新しい事を教わり、兄さんたちの仕事を目で盗みながら仕事を覚えていくのだ。

店の営業が終わり親方と、山岡兄さんは上がっても赤柳兄さんと二人、片付けの仕事は続き日付が変わるころようやく終わる。

「じゃあな荘太。明日も頼むぞ」
「はい。お疲れさまでした」

こうして「富田」での新しい生活が始まり、無事に一日が終わろうとしていた・・・

が・・・


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