ジェミニの女 好奇心の章-4
「へー。ここはかわいんだあ」
浴室はモザイクタイルが貼ってあり丸い浴槽は小ぶりで二人入るとすし詰めになりそうだ。チセは浴槽をシャワーで流して湯を張り始め、備え付けの小袋を見つけ袋を破き中の液体を入れた。
「バブルバスになりますね」
嬉しそうに湯と泡を眺めている。ぼんやり眺めているとチセは服を脱ぎ始め僕のネクタイも外し始めた。
「あ、ちょっ、と」
「往生際が悪いですよ。遊んでください」
器用にネクタイを外されシャツのボタンにまで手がかかったので僕は「いいよ」と自分で外した。
のろのろと服を脱ぐとすっかり小さな浴槽は泡まみれになっている。チセはすんなりした背中を見せて泡の中に突入していく。
「せんせっ。はやくはやく。きもちいーですよお」
泡の中にもぐったり顔を出したり活きのいい魚のように飛んだり跳ねたりしている。僕も少し愉快な気分になって浴槽に入った。
「ちょっと狭いね」
「そうですね。でもラブホってこんなもんじゃないんですかね」
ふっと両手にのせた泡を吹きかける。
「こらこら」
「せんせえの眼鏡外した顔初めて見た」
「ぼんやりしてるって言いたいんだろう?」
「うーん。こっちのほうが優しく見える」
にっこりしたチセはじっと見た後唇を重ねてきた。
「ん、むぐ、うむ」
小さくて薄い唇は小鳥のようについばんでくる。いつの間にか身体も密着してきていてほっそりとした身体が僕の上で漂っている。
「先生って着痩せするんですね。こんなに逞しいなんて」
「ただの薪割効果だよ」
「そうなんだあ」
チセの手が僕の肩から胸を撫でる。お返しに臀部から背中を撫で上げた。
「ベッドいきましょうよ」
照明を少しだけ落として二人でベッドに入った。小ぶりな胸に舌を這わせるとくすぐったがり身体をくねらせる。全身を軽くタッチし感じる場所を僕は探すことにした。
「あっ」
ぴくっと彼女はかすかに身体を震わせた。――手か……。指先を一本ずつしゃぶる。
「あ、なに、そんなとこ。やだ、センセ……」
完全な性感帯とは言い難いがチセの体温が上昇し頬がピンクに染まっていくのがわかる。指をしゃぶり手の甲にキスをし手首を軽く噛みながら乳首をいじった。
「あはっ、ん、ああん、な、なんかきもちいっ」
文字通り手放せないなと思いながら手から肩までを愛撫し、同時に局部を攻める。肩を噛んでいるころにはもう薄い花びらと淡い茂みは濡れてぐしょぐしょだった。
「チセちゃんって感じやすいんだね。もうこんなだよ」
「え、やだ」
チセの愛液にまみれた人差し指と中指を見せつけ、そのまま彼女の口に擦り付けた。
「自分の味知ってるのかな?」
「そ、そんなこと、知りませんっ」
怒ったように目を見開く彼女の口に指を入れる。
「ちゃんと知らないとだめだよ。特に自分の事はね」
「んむうっ、うう、ふう」
指を抜き差ししながら黙って僕は肉棒を挿入する。ぐじゅっ、ずぶっと普段の軽快なチセから想像できないような濁音が鳴り響く。
「ああああっ、ひっ、い、いきなりっ、あっ、はあっ、だめ、あう」
「チセちゃんは予想できると飽きちゃうだろ、ほら、もっと入るよ」
残りを全て彼女の中に納めてしまい奥をぐりぐりついた。チセの内部は繊細で押し出されるようなきつさを感じる。こっちが進めないと戻されてしまいそうだ。
双子座の飽きっぽさを考慮して僕はコロコロ体位を変え、愛撫する場所も変えた。
「あっあっあっ、はっ、あう、あっ、あ、あん」
短いスタッカートのような喘ぎ声が部屋に響く。小鳥のさえずりのようで可愛らしい。正常位から後背位に変え乳首をいじるころにはもうくすぐったがることはなかった。そして小さな包皮に包まれた花芽をいじってやると大きな声を上げた。