休日の買い物-2
岡本は県庁所在地の大きな都市にある出口を降りると、市内の駐車場に車を止め、和子を促して宝飾店へ向かった。
岡本は店員を呼び止めると和子の左手の結婚指輪を店員に見せた。
「これに似た指輪をください。レディメイドでいいですよ。50万くらいのものが良いかな。和子さん、もっと高い指輪とかネックレス、何でも買ってあげるよ。選びなさい。」
「…え? どういう…」
「和子さんへのお礼ですよ。」
岡本の言葉を聞いた店員は和子を促し指のサイズを測ると、指輪をいくつか出してきた。
たしか今の指輪は10万くらいのものだったはずだ。岡本の意図を測りかね和子が無言でいると、岡本は勝手に一つを選んでしまった。
そして和子の意見も聞かずに真珠のネックレスや指輪など次々に買い込み、店員は大喜びで二人の周りについて回り、盛んに似合うと和子を褒め称えた。
「岡本さん、いくらなんでもこんな高価なもの…」
「良いんですよ和子さん。他に遣うこともないし。」
「お客様、とてもお似合いです。こちらの色味もとてもきれいですよ。」
岡本は無造作にカードで支払いを済ませると、店員が勧める紅茶も飲まずに和子の手を握り、別な店に向かった。
先ほどと異なり、雑居ビルの多い狭い通りであった。
岡本は、そんなビルにある、派手な看板を出したランジェリーショップに入っていった。
「この店はね、いやらしい下着をたくさん扱っているんだよ。」
岡本は嬉しそうにスカートのスリットの隙間から手を入れ、和子の尻を触りながら店内に入っていった。
マネキンがつけたり、壁に並べられている商品の下品さに、和子はうつむき顔を赤らめた。
二人で買いに来たということは、店員はこれを着て二人が性交すると考えるだろう。
「どんなのが良いかな…。」
ここでも岡本は和子の意見も聞かず、店員を呼んで次々に商品を決めてしまっていた。
下着だけでなく、ベビードールやマイクロミニスカートも和子のサイズに合わせたものを大量に買い込むと、再び和子の尻を触りながら店を出た。
「はい。これで終わり。」
「…あ、あの。やっぱりあんなに高価なものは…」
「和子さん、私がそうしたいんだから、良いんだよ。」
和子は困惑しながら、車に戻り、助手席に座った。岡本は買ったばかりの包装紙を開けると、指輪を取り出し、和子の左手をとった。
「今のは捨ててしまおうね。これをつけなさい。」
岡本は和子の返事も聞かず結婚指輪を外すと、買ったばかりの指輪を左手の薬指につけた。
「あ、困ります。返してください。」
和子が取り返そうとすると、岡本は無造作に指輪を外へ放り投げた。
「良いでしょう。あんな安物。これもそんなに良いものではないけどね。これからも欲しい物があったら言いなさい。なんでも買ってあげるから。」
「…酷い、そんな事一方的に。」
思わず涙ぐむ和子のスカートの中に手を入れ、性器をいじりながら、岡本はねっとりと和子に言い聞かせた。
「だって私達はもう夫婦みたいなもんでしょう。あんなに何度もセックスをして。和子さんだって気持ちいいって言ってくれたでしょう。」
和子は借金の事や、性交の様子を隠し撮りされた動画のことを思い、うつむき、口をつぐんだ。
岡本は満足気に和子の背中を撫で回した後、車を出した。
岡本の運転する車は再び高速に乗ったが、暫く走るとすぐに高速を降りた。
「買った下着を着てもらおうかな。ネックレスを付けて見せて頂戴。」
見渡せば、あたりはホテルばかりだった。