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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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淫らな夏 (1)-2

 ああ、あの「楓さん」がセックスをしている。あまりの生々しさに想像さざるを得ない。いつも澄ました楓が脚をあられもなく広げて男性器を挿し込まれている姿を。あるいは四つん這いで尻を高く突き出し、後ろから突かれて動物のように喘いでいる姿を。

「可愛いゆき……耳まで赤くなってる」

 恥ずかしいのにDに可愛いと言われると嬉しくなってしまう。もっと可愛いと思ってほしいからもっと恥ずかしがろう、もっと恥ずかしいことをしてみよう、してみたい。この2ヶ月、そのようにしてここまで来てしまった。
 そんなゆきにとって、「挿れるよ?」というDの問いにコクリとうなずくのは自然なことだった。さっきより、少し大きな声を出していい気がした。どうせ聞こえてしまうのだ。

 ギシ…………ギシ、ギシ…………ギシ、ギシ。
「アン…………ン…………ァアン…………」
 ギシ、ギシ…………ギシ、ギシ…………ギシ…………。
「…………ンン…………アン…………アン……」

 襖で区切られた二間続きの民宿の部屋に、女子大生二人の切ない声が響きはじめた。大人の女性への階段を登っている、あるいは登り始めたばかりの少女たちが、男と愛し合う声。

 ギシ、ギシ、ギシ…………ギシ、ギシ、ギシ、ギシ…………。
「……アン……アン!…………ァアン……アン……」
 ギシ、ギシ、ギシ、ギシ……ギシ、ギシ、ギシ、ギシ……。
「……アン、アン…………ン!……アン……ァアン…………」

 声を抑えようとすればするほど、隣の声が聞こえてくる。若い二組の男女が薄い仕切りを隔てて、汗だくで絡み合う夜。興奮はいやが上にも高まっていく。

「ゆきとまたできて嬉しいよ」
「んん……ゆきも……」
「Eと楓、隣で何してるかわかる?」
「……んん……わかんない……チュゥ……」
「ゆき、ひょっとしていつもより感じてる?」
「……わかんない……ねぇ、もっとチュウしてください……んん…………」

 ゆきは恋人となった今でもときどき、Dに対して敬語を使う。理由は自分でもよくわからないが、胸がきゅんとなるのだ。

 小声で愛を囁きあい、唇を重ねる。Dも興奮していた。愛する男の、猛り狂った欲望がゆきの奥深くで暴れている。肉襞をめくりあげ、花びらを巻き込み、抜き挿しを繰り返す。ゆきは男の存在に狂わされ、何度も高みへ導かれる。促されるままに後背位で屈服のポーズを取り、騎乗位で腰を振った。背面騎乗位で下半身を突き出した。小さな尻肉の中心に咲く可憐な窄まりを視姦され辱められた。

 どれもDと付き合って覚えた体位だ。女子高生時代は、性交の途中でなぜ体位を変える必要があるのか意味がわからなかったし、まして四つん這いで肛門丸見えの姿を男に晒したり、自分から男の上で尻をくねくねさせるなど考えられないことだった。
 それなのに感じている姿が可愛いとほめられ、恥ずかしがっている姿もまた可愛いとおだてられるうちに、気がつくと淫らな格好で男を悦ばせる行為を自分からするようになっていた。

 ギシギシ、ギシギシ、ギシギシ……ギシギシギシ、ギシギシギシギシ……。
「……アン、アン、アン、アン……アン、アン、ぁあ、ぁああああ……っくぅ!」
 ギシギシギシギシ、ギシギシ……ギシギシ、ギシギシギシギシギシ……。
「……アン、アン、アン……アン、アン……アン、んんんぁあ、ぁあああ……!」

 身も心も愛され尽くしたゆきと楓。幸せに包まれながら、男の愛の証を一人は顔で、一人は口で受け止める。襖の両側から、男根を頬張り吸い上げる音。男女の仲睦まじいくすくす笑い、囁き声、キスの音――。窓外からの潮の香りが、二人の美人女子大生の股間からつんと漂う潮の匂いと混じり合う。

 じりじりする熱気の中、宿の一室はふたたび静寂に包まれる。波の音がまた、聞こえてきた。


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