『綺麗なブルー』-4
哀しみの色は消えていない。
それでもこの瞳こそ、兄の言う『綺麗なブルー』なのだと、私は確信した。
私は思わず自室へ跳んで帰り、先ほどの封筒を掴んでキッチンに戻った。
「…。」
黙って渡す私。
黙って受け取る彼女。
ジェドは私の肩に手を置いて、“行こう”と囁いた。
二人で廊下の階段に腰掛け、ただ黙っていた。
そして少しして、聞こえてきた彼女の啜り泣く声を耳にしながら、私達もどちらからともなく泣いていた。
fin.