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予定外の家主
【ファンタジー 官能小説】

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通じないパスワード-11

「役に立たん地図を鞄に入れたのは、蓮見だろ。手探りで無駄に苦労したぞ」
「順調に進んだら、何事もなく終わるだろ、ササの場合は」
 バスの迎えが到着した。やっと帰れると思うとホッとするのが正直な所。
 バスに乗って、奥へと進んで――ごとごと、と足音が二人分。
 すぐ後ろにいた茉奈が、
「四人しかいないしどこでも同じ、早く座って落ち着こう?」
 ちらっと見ると、ケータイで何か操作中だった。
「彼氏とデートの打ち合わせか」
「ハズレ。家族からライン」
「お母さん、とか?」
「訊いてどうすんの――座るか、先に進んでよ」
「どこでも空いてるだろ」
「ササを奥に閉じ込めて、触らせる計画とかあんの。そこ、座ろう」
 どす、と腰を落とす頃にはバスの移動が始まる。
 明日から何かが変わるとか特に意識もしなかった。
 暗記テストを無難に通過する方法を考えて……。
 考えてはいても、普通に勉強するしか方法がないと諦めた。


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