目的-1
男は身体の動かない奈緒を見て笑みを浮かべていた。
彼の感情が伝わることのない、あの不気味な笑みだった。
『身体・・・動かないでしょ?』
彼は奈緒に言った。
その声は暴力的なものを感じさせるものではなかったが、
やはり感情というものが伝わってこないものだった。
奈緒は身体が動かない恐怖と、男の発言に気が動転していた。
『とりあえず・・・場所変えようか?』
彼は奈緒に背を向けると、そのまま歩き始めた。
すると、奈緒の身体も自然と彼の後ろを追って歩き始めた。
『・・・えっ!・・・』
奈緒はその現実に声をあげようとしたが、思うように声も出ないことがわかった。
男はそのまま歩き続け、やがて駅へ到着した。
『いつも駅で可愛い子だなって見てたよ・・・あの時目が合ったでしょ?
僕ね・・・昔から目があった人を自由にコントロールすることができるんだ』
『・・・やめて・・・』
冗談だと思いたかったが、現実に自由が効かない自分を見た奈緒は
彼の言っていることが本当だと思わざるを得なかった。
『僕ね・・・奈緒ちゃんのような可愛い女の子を辱めるのが趣味なんだ』
奈緒は彼の支配によって、完全に声が出なくなっていた。
恐怖で身体が震えることも許されないぐらいに、完全に彼に支配されていた。
彼は奈緒を連れてホームに降り立った。
『あっ・・・辱めるっていうのも・・・公衆の面前でだけどね』
そして、彼の行為が始められた。