そして暗い過去が蠢き始める・・・-1
「むふぅーっ、むふうーっ・・・」
快感を堪えようとするが、カラダは正直だ。老人の舌が芳恵を篭絡しようと、しきりに誘う。彼の舌戯は巧みで、芳恵の弱点を知り尽くしている。今や、恥部より潤いが潤いを呼び始め、火照り始めていた。スーツに包まれた彼女の乳房も血流が急速に集まり、重々しさに加え、乳首もまた痛々しいほどに勃起している。だが、それでも芳恵は、声を漏らすまいと堪えている。声を漏らしてしまえば、自らのカラダに渦巻く快感を認めてしまうことになる。意地になり、芳恵は歯をくいしばって耐えていた。
「こんなに濡らしているのに、気も遣らないどころか、声さえ上げない。まったくどうしたのだ?んん?気が乗らんのか?・・・では、では」
鴨居老人はもはやしとどに濡れた芳恵の秘部を一瞥するなり、局所のワレメに沿って、立てた二本の指で撫で始める。人差し指と中指は、芳恵の蜜で瞬く間にしっとりと濡れ、キラキラ光る。その濡れた指の中指を立て、芳恵の目の前にかざすと、逆手に手首を返して、彼女の膣にゆっくりと埋め込んでゆく。
「うっ、うっ・・・」
自分の中に入ってくる乾いたモノが、ヒトの指でないと感じた。
「い、いやっ・・・やめてっ」
芳恵は小声で、怯えたように叫ぶ。
(違う・・・ヒトの指、じゃないわ・・・)
そう思った瞬間、芳恵の中に、暗い過去の一面が呼び覚まされてしまった。