ひとつ屋根の下@*美形三兄弟!?2-1
アホ親二人は、呆然としている私を置いて、寝室に向かっていった…。
っていうのがつい、二日前のこと。
つまり私は今荷造りを終えて、その両親のお友達やらの家の前にいるのです。
それにしても…デッカイ家だー。
「さぁ紗理、まずは挨拶ねーっと。」
ピンポーン
「お母さ…っ」
…お母さんが、勝手にチャイムを鳴らしてしまった。
・・・・・心の準備もできてないのに!!
ガチャ、っとドアがひらく。
出てきたのは、ショートヘアでスラリと背が高い、キレイな人。
「あ、やっと来た。久しぶりー、まーちゃんとさっくん。」
「お久しぶりねぇ!鈴ちゃん。」
「久しぶり。これから娘を、よろしく頼む。」
「はいはーい。もう明日、向かうの?」
「うん。ここから離れるのは寂しいんだけどね…でも、結婚前からの夢だったから。」
「そうだよね。ずっと言ってたもんね。」
…ふーん、そうなんだ。
「そう!絶対日本ならではのアイデアをアメリカに持ち込んで、大儲けしてやるって!!」
ガクッ
「な、なにそれ…!そんな理由!?」
「そうよー?私達、大富豪になって帰ってくるからね!」
「もう、帰ってこなくていいよ…」
「ヒドイッ!」
「じゃあ紗理、そろそろ帰るな?」
「あー…うん。バイバイ。」
「手紙書くからね?バイバイー!」
…嵐は、去った。