不倫の顛末-9
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会社には殆ど使われることの無い倉庫がある。開かずの間とまでは言わないが、ビルから出て裏口から地下へ続く冷たい階段を降りて行った先に、鉄扉のドアが不気味に佇んでいる。
そこには使い古されたファイルや販促物等が置かれているのだが、誰も近寄ろうとしない。年に一度の大掃除の時くらいにしかここへは来ないのだ。
用が無いという理由だけではなく、ここには “出る” という噂がある。それだけで怖がりの社員達は不必要に近付かないことにしているのだろう。
「あ…ああ…っ」
その誰も近付かない倉庫から、艶(なま)めかしい声が聴こえる。その声の主はもう遠慮などしない。声量は上がり、自分の出す声自体興奮材料にしているようだ。
「係長…そこ……そんな…あんっ」
薄汚れたデスクの上で彼女の脚はM字に開き、濡れて光った陰唇を私の前に曝(さら)け出している。溢れ出る淫水は濃度の高い蜜のようで、指で掬うと強い粘り気で糸を引く。
私は渇いた咽喉を潤すように音を立てて彼女の蜜を吸い続けた。程良い塩加減だ。そしてこの粘りはめかぶに似ている。
陰核を包む皮をめくり、舌先で刺激を与えると彼女の腰がビクつく。
「ひぁっ!ああ…あっ、ああっ!」
彼女の自我は半ば崩壊しかけているだろう。
穴に舌を捻じ込み、膣の内側から愛液を掬う。舐めても舐めても溢れ出てくる。少しの尿の匂いと雌の香り。私の “息子” もズボンを押し上げるほどに勃ち上がっている。
だが……まだだ。
そろそろ頃合いかと思っているのだが………。
「あー、係長浮気してるぅ」
─────やっと、来たか。
突然別の声が倉庫内に響き、彼女…櫻木リカは慌てて股を閉じた。
「あれぇ?確か貴女は…櫻木先輩?」
首を傾げてリカに声を掛けたのは、私の肉奴隷となった黛花蓮だ。
そう、此処は私と彼女の逢引きの場所だ。その証拠に全く手が付いてないこの倉庫のデスクやソファといったものは、薄汚れてはいるものの埃などは全く無い。
ヤる為の場所は綺麗な状態にしているのだ。
「あは、なぁんだ。櫻木先輩も係長のエッチにハマっちゃったんだ?」
「いや、…その…これは……」
笑いながら花蓮は言うが、リカはそれに対して何を答えていいか分からず、ただ気まずそうに目を泳がせている。
「でも今日はだぁめ。係長のおちんちんは今日私が売約済みなの」
花蓮はソファに座るとストッキングとショーツを脱ぎ捨てて股を開くと、既に濡らしてあるクレバスを指で拡げて私へと見せつけてきた。
「ね、係長、早くぅ」
蠱惑的に私を誘う花蓮。
信じられないといった顔で花蓮を見つめるリカ。
「ああ、そうだった。すまないな、櫻木くん。彼女は私の愛人でもあってね。ちょうど今日約束していたんだよ」
私はリカにそう言い放ち、ズボンとパンツを脱ぐと花蓮の前まで歩み寄る。
そこからリカには一瞥もくれず、花蓮に覆い被さると愛撫もせずに挿入した。
「ああっ、係長すごい」
そこはもう私と花蓮だけの世界になっていた。取り残されたリカはただ、私達の行為を見続ける事しか出来ない。
「あっあん、係長、いつもよりおっきい…!」
心なしか花蓮も興奮している。リカが居るからかもしれない。こいつもまた変態だ。
ソファがギシギシと軋む。若い花蓮の内壁はキツく私の息子を締め付ける。しかし私の射精までには余裕がある。
腰の動きを早めて花蓮の奥を抉る。
「あっああっ!すごっ…係長、イイ!花蓮のおまんこ壊れちゃう!」
リカは完全に置いてけぼりだ。秘裂を舐められて感度も興奮も高められた上でのこの置いてけぼりは、空腹状態で目の前にご馳走を並べられて待てを言い渡されているような状態だろう。
そう、リカは今こう思っている筈だ。
本当なら今頃私の────