不倫の顛末-6
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女子トイレの個室に入って早々に私はストッキングとショーツを膝まで下ろし、しとどに濡れたクレバスを慰める。
仕事なんかまともに出来る状態じゃなかった。何が原因かは分からないけど、私の股倉は熱を持ち始めてお漏らしかと思うほど愛液を垂れ流している。
剥き出しの陰核は指で擦るだけで過敏に反応し勃起している。
係長のペニスを口に含んだことを思い出して、私の右手はトロトロに蕩けた割れ目を擦る。
「はぁ、ぁん…」
誰かが来る前に、少しでも発散しておかないと。このままでは気が狂いそうだった。
つぷり、、と、指を膣内へ挿れる。たっぷりと濡れたそこは私の細指など容易く受け入れる。これが男根であればもう少し膣内の抵抗もあるのかもしれない。
やらしい水音がトイレ内に響く。欲求不満にも程がある。私は職場でこんなことをする女ではなかった筈なのに。
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──────そういう女だ。
薬を使わずとも多分、リカは根っからの淫乱であろうことは想像できた。その上で薬を使えばどうなるかなど分かりきっている。
女子トイレに駆け込んだリカが個室に入り何をするか。用を足すだけでは済まないだろう。
周囲を確認し、音が鳴らないよう少しだけ扉を開くと小さな吐息と淫靡な水音が聴こえる。間違いないようだ。
自慰行為は、今リカが一番選択してはいけない道だった。きっと少しでも欲求を満たす為にしているのだろうが、それは逆効果になる。
私が使った薬はその性的欲求を促進させる媚薬である。自慰をすれば解消するどころか、それはもっと大きなものになり、余計に性欲が増していく。
乳首や陰核は勃起し、襞(ひだ)さえもピンク色に鬱血し、綺麗な花を咲かして多量の蜜を溢すだろう。全身の血の巡りも良くなり肌という肌が敏感になる。
そういう、薬なのだ。
私はそのままするりと中へ入ると音を立てずにドアを閉め、その中で一つだけ閉まっている個室に手を掛けた。