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夢と現の狭間の果てに
【OL/お姉さん 官能小説】

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不倫の顛末-2


………
………………
………………………


 「失礼します」

 扉を開けて室内へ入る。
 相談室と呼ばれている小部屋には既に係長が立っていた。四畳半あるかないかくらいの広さに小さなテーブルとパイプ椅子が四脚。何となく殺風景で警察の取調室みたいな部屋だ。…取調室に入った事は無いけども。
 テーブルには二つカップが置かれている。中身は珈琲だ。

 「ああ、来てくれたね。ありがとう。そこに座ってくれ」
 「はぁ…失礼します」

 私は椅子を引き座ると係長は対面に座る。

 「さっきのことだけど、胸を触られていたよね?」
 「…はい」
 「いつから?」
 「いつ、と言うと?」
 「セクハラされ始めたのはいつか、ということだよ」
 「セクハラ…」

 セクハラらしいことをされたのは昨日かな。お尻を触られて梢枝さんに助けてもらったんだ。
 その事を私は正直に話す。

 「ふむ、なるほどね…」

 「お尻か」と言いながら係長はズズッと音を立てて珈琲を飲む。
 これは問題になりそう。樋口はクビになるかもしれないなぁと人ごとのように考える。

 「ああ、遠慮せず珈琲飲んでいいよ」
 「ありがとうございます、いただきます」

 私はカップを口まで持っていき何度か息を吹き掛けて冷ますと珈琲を飲んだ。甘めだ。砂糖3杯は入れてるだろう。

 「で、さっきはどんな風に触られたのかね?」
 「どんな風にと言われますと?」
 「胸を触られていた時のことだよ」
 「どんなって…係長は見てらっしゃったのでは?」
 「途中からだがね。君から順を追って詳しく聞いておかないと後で彼と話した時に話が食い違うといけない」

 まあ、そういうものか。でも口にするのも憚(はばか)られる。

 「どうしたのかな?」
 「あ、いえ、ちょっと言うのは…」
 「ふむ、困ったな」

 係長は徐ろに立ち上がると、室内を歩きながら喋りだす。

 「私が目撃したのは君の胸元に樋口くんが手を突っ込んでいる状態からだった」

 目撃とか…いちいち大袈裟な言い回し。刑事ドラマの刑事役にでもなったつもりかな。私が取調べを受けてる感じであまり気分が良くない。何も悪い事はしてないのに。

 「それだけでも十分なセクハラ行為だ。そうだろう、櫻木くん」
 「え、ええ、まあ…」

 何だこの茶番劇。いつまで続くんだろう。係長は刑事役のままテーブルを中心にくるくると回って歩いている。

 「ただ、どういうセクハラを受けたのか聞かないと、後で樋口くんの話を聞いた時に君と樋口くんの証言が食い違った時に困るのだよ」

 今度は “証言” ときたか。
 具体的に聞かなくても困らないでしょ。係長は早くも自分で言った事を忘れている。『胸元から手を突っ込んでいるだけで十分なセクハラ行為』だと言ったはず。

 「しかし、櫻木くんは具体的に話してくれそうにない。ふむ、確かに、脳で考えている事を言葉にするのが不得手という人も居るしな」
 「いえ、そういう訳ではなくて…」

 そこで私の背後に回った係長に、またポンと両肩に手を置かれた。

 「ではこうしよう。樋口くんの犯行の再現だ」
 「…へ?」

 今度は犯行だって。すっかり刑事ドラマに酔ってる。
 ──────って、待って。再現?

 「まずはこう、服の上からおっぱいを触っていなかったかな?」

 係長は肩に置いた手を前へと滑らせ、私の双丘を撫で始めた。

 「か、係長、それは流石に」
 「いいかい櫻木くん、言っておくがこれはセクハラではないぞ。これはセクハラした樋口くんの真似事で、私がセクハラをしているわけではない」

 何を言ってんだこのバカは。というのが私の正直な本音だ。

 「その後こうして…滑り込ませて…」
 「ひっ…!」

 樋口のした動きをなぞる様に、係長はブラウスの中へ手を滑り込ませると両の乳房に手を這わせた。勢い余ってか、胸とカップの隙間に手が直接入り込む。

 「いや!係長、ちょっと本当に」
 「おっと…なるほど。ブラ越しに触ろうとしてもこうして上から差し込むと直におっぱいを触ってしまうのか」

 言いつつもいやらしく係長の手が胸を揉み続ける。指が突起に引っかかり、擦られる。

 「………あっ!」

 …え?なに?
 ビリっといつもと違う刺激が走る。樋口に愛撫された時とは違う、乳首への甘い刺激が一瞬で身体を硬直させた。



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