不倫の顛末-11
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パソコンを睨んで仕事に打ち込んでいるつもりでも、その情報は全く頭に入っていかない。頭の中はあの二人の交わった光景で頭がいっぱいになっている。
お詫びの印しとして係長はまた私に珈琲を淹れてくれたが、そんなもので私の気持ちが収まる筈もない。私が “いれて” もらいたいものは珈琲なんかじゃない。
もう明らかに普段とは違うコンディション。動悸が激しい。下腹部が熱い。
「さーくちゃん」
不意に両肩にポンと手を置かれて私は「ひゃんっ」と変な声を出してしまった。
それをしたのは樋口で私の出した声に逆に「うおっ」と驚いている。
「な、なになにサクちゃん。いきなり変な声出しちゃって」
「ひ、樋口先輩…いい加減に…」
「いやね、さっきのことちゃんと謝ろうと思ってさ。ほら、下手したら俺クビになりかねないからさ、サクちゃんが上手いこと助け舟を俺に出してくれないかなぁって」
謝るとか言っておいて結局は自分を守りたいが為の口実か。こんなの無視してやればいいのだけど…。
置かれた樋口の手が肩口を撫でる。それだけでゾワゾワと鳥肌が立つ程に私の体は敏感になっている。
懲りない樋口の手はそのまま私の脇の下へと回り、乳房の横を撫でる。
「はぁっ…」
いつもなら振り払うのに、私はそんな事もできないで樋口の好きなようにさせている。
…どうせ、誰にも見えない。ここは死角になっているから…。
「ぁっ…先輩………ちょっと…」
「なに?サクちゃん気持ち良さそうじゃん…どうしたの?」
ジャケットの上からおっぱいを鷲掴みされる。その手を掴んで私は静かに身悶えている。
もう…無理だよ…。我慢できない…。
掴んだ先輩の手を掴んだまま口元へ持っていき、先輩の人差し指を咥えた。おちんちんをしゃぶる様に舐めてからちゅぽんと口から離す。
「先輩……少し、別室でお話ししませんか?」
私はそう言って、樋口先輩に微笑んだ。
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応接間にはテーブルを挟んで皮のソファーが置かれている。カーテンを閉め切り、電気も点けずに少し薄暗い中で蠢く二つの影。
ソファに横たわる樋口先輩の上に、頭と足を逆にして重なる。彼のスラックスとパンツは足首まで下ろされていて、私はその股間に顔を埋めている。
細長い、彼のイチモツの根っこを右手で扱きながら、先っぽから真ん中辺りまでを口の中に入れて味わっている。
樋口先輩は顔の上で跨った形で開いた私の両脚の付け根に顔を突っ込むと、愛液で濡れた陰唇をしゃぶり続けてた。
私達は所謂、69(シックスナイン)と呼ばれる体位をしているのだ。
「まさかサクちゃんがこんなどエロな子だったとなはなぁ」
指で私の裂け目を拡げて舌を捻じ込んでくる。とろとろの蜜が樋口先輩に吸われていく。私も樋口先輩の出す我慢汁を吸いながら先端を唇だけで圧迫して舌で亀頭を転がす。
「く、もう我慢できねぇや」
樋口先輩はそう言うと私の下から抜け出して私の腰を掴み、後ろから細長いおちんちんを私の秘裂に当てる。
「いいよね?サクちゃん、いいよね?」
ここまでして聞く?何も言わずに早くそれを私に突っ込んでめちゃくちゃに犯せばいいのに。
私は何も答えず、ただ入れやすいように少しお尻を持ち上げた。
「挿れるよ?挿れるからね?」
鼻息荒く樋口先輩が言う。私はいよいよ、ずっと待ち兼ねていたモノを膣内へと─────
「そこまでだ、樋口くん」
いつの間にか応接間のドアは開かれていて、そこに立っていたのは………
※
「リカちゃんっ」
私の後ろから駆けて樋口を押し退けると、佐々木係長はリカにトレンチコートを掛けるとギュッと抱きしめた。
リカの方は…固まっている。いざセックスというタイミングでこんな場面を演出されたら固まる他無いだろう。そうだ、それでいい。リカ、お前は今 “強姦未遂の被害者” として振る舞うのが正しいのだ。
そこで青ざめたままの樋口が漸く口を開く。
「…か、係長これは、違うんです」
「決定的だな、樋口くん」
「な、何のことですかこれは────」
「もう言い逃れは出来んよ」
「ち、違います!俺はさっきのことサクちゃんに謝ろうとして」
「謝ろうとして何でそんなお粗末なモノを出しているのかね?」
「あ、いや、これは…」
慌てて両手で前を隠す樋口。ふっと笑いそうになるのを堪えて私は続けた。
「看過できんな。今日はもう帰りなさい」
「き、聞いてください!これは、サクちゃんも同意の上で」
「いい加減にしなさい!」
ここで佐々木係長が声を荒げた。
そう…それだ。女側の視点としての物言いがここでは有効になる。リカを黙らせることにも一役買ってもらえるだろう。
「リカちゃんが同意なんかするわけ無いでしょう!第一今は就業中よ!?真面目に働いてる彼女がそんな事をするわけ無いでしょ!」
「いや、ほんとに…」
「誰がそれを信じられるの?そもそもあんた朝方リカちゃんにセクハラしたんでしょ?そんなあんたの言い分を誰が信じられるって言うのよ」
「だからそれは…、ねえサクちゃん!君が俺を誘ったんだよね!?ここに誘ったのはサクちゃんだよね!?」
…バカかコイツは。今のこの状況でリカがはいと答えると思ってるのか?
すっかり佐々木係長の腕の中で萎縮しているリカへ、必死に訴え掛ける樋口が本当に滑稽だ。
仮にリカが誘ったのだとしても…いや、誘ったのは本当だろうが、ここでそれを言うほど愚かではない筈だ。いや、もし素直に答えたとしても………