由紀のアパートへ-1
その後、2週続けて、日曜日に、野田と由紀は、カフェでデートをした。
そして4回目のデート。
日差しが強く、ちょっと汗ばむ陽気だった。
由紀は、白いポロシャツに、ロングスカートという格好でやって来た。
白いポロシャツからは、白いブラジャーのラインがくっきり透けて見える。
シャツの中には、何も着ていないようだ。
野田は、車に由紀を乗せ、奥多摩の滝を見に行った。
『奥多摩の自然、私、好きです。』
と、由紀は喜んでいる。
時折、足が滑りそうなところがあるので、野田は、由紀の手を握る。
そして、手を繋いで歩く。
由紀は、歳甲斐もなく、顔を赤くして恥ずかしそうにしている。
しかし、手を離そうとはしない。
ちょっと歩き疲れたので、茶店のようなところに入る。
2人で、ほうじ茶を注文する。
『私、ほうじ茶、大好き。』
『由紀さんも?同じですね。』
『ねぇ、由紀さん、ってさんをつけるのはやめて。呼び捨てでいいですよ。』
『でも、由紀さん、年上だし、、、。』
『年齢は関係ないんじゃないの?』
『確かに、、でも、女性を呼び捨てにしていいのは、親と彼氏ぐらいだと思ってるから。』
『彼氏かぁ、、、』
『ぶっちゃけて言うと、身体の関係になったら、呼び捨てにしますけどね。』
ちょっと沈黙が生まれる。
由紀は、野田が望むなら、野田に抱かれたいと思っていた。
もう何年もセックスはしていない。
でも、欲望がない訳ではない。
生理も終わり、女としても、もう終わりに近づいているのは、理解している。
ただ、問題は、目の前の野田が、自分を女として見てくれているか、である。
だから、今日は思い切って、ブラジャーが透けて見える格好で出てきた。
もし野田に、“ホテルに行きたい”と言われたら、行く覚悟をしていた。
そのために、下着も、清楚な白いブラジャーとパンティを選んでいる。
でも、今日は、今のところ、手を繋ぐところまでである。
キスもしてくれない。
やっぱり、自分は女として、終わってしまっているのだろうか。
そういう不安が由紀を襲う。
野田の車は、ホテルに寄ることもなく、由紀のアパートへ向かう。。
アパートの下に到着すると、意を決して、
『上がって、お茶でも飲んで行きませんか?』
と、由紀が言う。
野田には断る理由はない。
車を支障のないところに停め、由紀の部屋に向かう。
1Kの小さな部屋である。