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恵鐘館ものがたり
【幼馴染 官能小説】

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美空と武-1

 ふう、今日も疲れたぁ
 仕事帰りのOLが夜道を歩いている。
 身の丈は165センチほど、太っているというには細いが、程よくふっくらした身体をしている。
 彼女、長谷堂美空は、自身が住むアパートの近所の公園を歩いていた。
 ここを通ると職場との近道になるので、よく通るのだ。
 
 あら?またいるのね。
 この公園は、洒落たデザインで地元民から評判が良く、洒落た石造りのベンチがある。ふとベンチに視線を向けると、一人の人物がに腰かけているのを見つけた。
 少年と言っていい年齢の男の子だ。まだ高校生ではないだろう。
 週に2,3回、ここで見かけるし、何をしているわけでも無くベンチに腰かけて俯いているか、何を見るでもなくただ座っているのだ。
 何か悩み事でもあるのかと思い、気になるが彼女も朝早いので、この日はそのまま帰宅した。
 
 鐘楼のような小さな塔を中央に置いた、珍しいデザインのアパート、恵鍾館。
 ここの201号室が、彼女の部屋だ。
 古いデザインだからこその、どこか柔らかく温かい内装を気に入って、彼女はここを借りた。
 シャワーを浴び、風呂にゆったりと漬かると、仕事上の面倒な事を思い出してもそれが湯に溶けて出ていくような心地。そして、さっきの少年を思い出した。

 美空はその後も、忙しい日々を過ごしていた。いつもの公園を通って通勤する事も多かったが、夏に近づくにつれて、あの少年が一人でいるのを見ることが多くなった。
 一人でいるにしては、スマホを見ているわけでも、何かスポーツの練習をしているわけでも無いのが、とても気になるようになっていた。


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