帰らぬ妻 (2)-4
ペニス丸出しで仁王立ちする男二人は、ゆきに二本同時のお掃除フェラをさせる。もはや抵抗する気力もないのか、ペニスを交互に口に含むゆき。頬が亀頭に押されて、ペニスの形に膨らむ。大きな尻が丸出しになり、股間から縮れた毛が覗いている。はだけ服とブラジャーの間から乳房がはみ出ており、先端の蕾がフェラチオに合わせて揺れている。男たちの股間から生えた肉棒を両手に握り、舌を絡め、口淫奉仕を続ける妻。
二本同時に口に突っ込まれた。苦しそうな呻き声を上げてている。赤く紅潮した頬をありえない形に膨らませ、目を真っ赤に腫らし、ごぽごぽ変な音を立てて、フェラチオしている。真冬なのに、汗で額とうなじに髪の毛が張り付いる。唾液と胃液と涙を垂れ流しながら、舌を陰茎に這わせている。その一部始終は、サラリーマンのスマホに収められた。
*
「あの漫画、五話で打ち切りどころか三年も続くなんて」
「二人の最後の別れが切なかったよね」
「泣きながら一晩中ドロドロのセックスしたやつ?」
「そこは漫画ではボカすの!」
「あそこだけ成人漫画だった。ゆきのアナルほじくり回すのもこれが最後かー……って」
「もう!」
「ゆきだって、別れる男のアナル一生懸命舐めてくれたじゃん」
屋外3Pを終えたゆきとFは、また別のホテルにチェックインして、気分も新たにいちゃいちゃしている。浴槽にお湯を張り、冷えた身体を温めあう。
「最後まで二人は愛し合い、疲れ果てて、眠りにつくの。起きたら、ヒロインさんはもういなくなってました」
「たしかにあのラストは切なかったなー」
「めでたしめでたし」
「めでたしじゃないよ。ベッドに染み付いたゆきの残り香しばらく嗅いでぼーっとしてた」
すでにFから心は離れ、密かに私に想いを寄せてくれていた時期のゆきである。屈託のない笑顔で私に微笑みかけ、ときに可愛らしく恥じらう表情を見せてくれていたあの「ゆきちゃん」が、まさか元彼との最後の瞬間まで肛門をほじくり合う変態セックスをしていたなんて。ゆきは結局そういう女だったのだから仕方ないのかもしれないが、やはりショックである。
「まさかFくんと私の話に続編があるなんて……」
「十五年後、突然の再会からの不倫……」
「うふふ」
「内容も今度こそ完全に成人向けに。人妻となったヒロインがまさかのアナルセックス……」
「だからそういうのはボカして!」
「ぼかすどころか、それが続編のメインだよ」
「もう……」
「そして見知らぬ男も交えて、野外3P……」
「ねぇFくん? あれはやっぱりひどいと思う……」
「ゆきも感じてたじゃん」
「でも嫌だった……おちんちん汚いし臭いし」
「興奮してたからいいのかなって、つい……」
「ゆきが全然知らない男の人とあんなこと……Fくん平気だったの?」
「正直、すごい興奮した……」
「もう……!」
夫に売られ、売られた先の間男にさらにまた売られ、あまりに不憫なゆきの境遇ではある。二本同時フェラのあと、まったく興奮の収まらぬ男たちに、ゆきはもう一度犯された。最初の3Pよりも、さらに過酷なセックスだった。
当然の流れで、今度はサラリーマンにペニスを挿入されそうになる。さすがにこれは拒否するものの、Fに再び後ろから挿れられながら、今度は男に乳首を舐められ、クリトリスを弄られ、イかされる――ことはなかった。高みに達する前に、サラリーマンもFも、ゆきへの責めをやめてしまうのだ。身悶える妻。むっちりした下半身を淫らに振って、さらなる快楽を求めるものの、あと一歩というところで刺激はおあずけされる。疼きの波は引くことなく、かといって頂きを越えることも許されず、火照った状態のままくすぶり続ける。
「あの人汗臭かったし、タバコの臭いも苦手だった……」
それなのにゆきは、男とのキスまで受け入れ舌を絡め唾液を交換してしまう。それがゆきにできる、精一杯のおねだりだったのだ。男はそれに応え、乳首とクリトリスへの刺激を与えてくれるのだが、やはりオーガズムの寸前で手を止める。風俗遊びで慣れているのか、冴えない風体に似合わず、私などよりはるかに女を疼かせ、焦らす方法を知っている。
後ろからはFが、膣に挿れたペニスをひくつかせながら、ゆきのアナルにそっと指先を触れる。下半身がびくんと跳ねるゆき。Fは人妻の肛門の皺の感触を楽しむように、優しく、そっと撫でる。掻痒感に身震いするゆき。理性が狂う。アナルを指の腹で撫でられぐい押され、期待感を煽られる。今日知ったばかりの、あの快楽羞恥地獄を味わいたい。尻を振って応えるゆきに、Fが声をかける。
「お兄さんに見られながら、こっちの穴でしちゃう?」
肛門を、指先でこちょこちょくすぐられながら、涎を垂らして何度も首を縦に振る妻の顔を見てしまった。愛する女の、こんな表情は見たくなかった。
「アナルセックス、したいんだ?」
「したいです……生チンポ、ちょうだい……」