帰らぬ妻 (2)-3
ラブホテル街の路地裏で、女の尊厳を蹂躙され続けているゆき。
「……ちゅぷ……じゅる……ちゅぱ……じゅぽ……じゅっぽ……じゅっぽ……じゅっぽ……」
通行人が、興味深そうに路地裏を覗いていく。ある者はニヤニヤ、クスクス笑いながら、ある者は眉をひそめ、軽蔑の視線を向けながら。
ゆきの抵抗は、いつの間にか弱々しいものとなっていた。今ではせいぜい、眉をしかめ呻き声をあげ、ときおり首を振っていやいやをする程度になっている。一生拭うことのできない屈辱を、妻は甘受しはじめている。それはきっと、Fに与えられるペニスの快感と、サラリーマンの手による乳首への刺激と無関係ではない。
「ん……じゅぷ……ぁ! んぷ……ぁむ……ぁん! んむ……はむ……んぐ……が……じゅぷ、じゅる……」
Fに後ろから押されるせいか、まるで自分から頭を前後に動かして男の陰茎を咥えているようにも見える。Fに突かれるたびに、妻の口が男の陰茎を咥え込みに行く。Fが腰を引くとゆきの口から唾液に濡れた肉棒が引きずり出される。男は相変わらず妻の乳房を弄りつつ、美人妻の口淫奉仕をスマホで撮影している。
「……じゅっぽじゅっぽ……じゅぶじゅぼ……ちゅぷ……じゅる……ちゅぱ……じゅっぽじゅっぽ……」
ゆきの手が、男のぶよぶよの腹肉をワイシャツの上からつかんでいる。口いっぱいにペニスを含む妻。男の肉棒を咥え込み、また吐き出していく。正視に耐えない。
男の口数も減り、じっくり、ねっとり、濃厚なフェラチオ音だけが路地裏に響く。見知らぬ男へ献身的なフェラチオ奉仕するゆきにご褒美を与えるように、Fの腰の動きが速くなる。肉と肉のぶつかり合う卑猥な音に、男性を頬張るゆきの喘ぎ声が重なる。
パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパン――。
「ん……! ぐ……! んぷ……! ぁん……っ! んん……! ぷ……! じゅる……! じゅぷ……! んぐ……!」
「ぁあ! 奥さん……!」
男が腰を突き出すようにした。射精が近い。乱暴に妻の口へペニスを押し付け抜き挿しする。
パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパン――。
「じゅっぽじゅっぷ……んぐ、が……ぐぷ……ぁん! ぁあ! ぁあああ!」
「奥さん、イキそう……そのまま……!」
愛する女の身体の中に、二本のペニスが出たり入ったりを繰り返している。
妻の下半身がビクンビクンと跳ねる。ゆきもオーガズムが近い。いや、マゾ体質な身体は、すでに絶頂に到達してしまっているのかもしれない。
パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパン――。
「んぁ……! ぐぷ……! じゅぷ……! んん……! ぁん……っ! ぷ……! じゅぶ……! はぅん……! んぐぷ……!」
「いいよ奥さん、あぁ……出る……イク、出ます……! ぁあ!」
その瞬間、男がゆきの頭を抑え、股間に押し付けた。汚らしい陰毛に美しい妻の顔が埋もれている。
「んぐ……! んんん……!」
苦しそうなゆきの顔。その顔に腰を押し付け、ぶるぶると震わす男。
「ぁあああ出る! あぁ出てる! ぁあ最高奥さん……まだ出る! 全部出すよ! ぁああ……」
「んんぷ! ぁ、が……ぐ……! ん、んんん……! んんんんん……!」
ゆきの反応が尋常ではない。やはり男と同時に高みに到達してしまっている。身体を硬直させつま先立ちで尻を突き出し、下半身を痙攣させている。私の最愛の妻の上の口と下の口に、二本のペニスが同時に挿し込まれ、口内射精されているという凄まじい光景。
「あぁまだ出る! 全部出します……あぁ止まらない、どくどく出てる……奥さん、ごめんなさい!」
「んんんんん! んぷ……が……ぁあんんん……!」
ゆきが射精されている間、小休止していたFがペニスの抽送を再開した。サラリーマンへのフェラチオに集中しすぎて気が付かなかったが、Fも限界が近い。
パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパン――。
「ゆき……! 俺もイク……! ぁああ!」
「んんんんぁ……! ぐぽ……ん! んぁんんん! んん……! ん……っ! ぷ……! じゅぶ……! んぐぷ……!」
「う……! ぁあああ! お兄さんどいて!」
ゆきの口からサラリーマンのペニスが引き抜かれ、代わりにFのペニスが突っ込まれた。あぁ、妻が、男二人に精液便所扱いされている。やめろ、私の妻の口は、射精する場所ではない。
「あぁ出る! ゆき……! ぁ! ぁあああ……!」
「ぁが……ごぽ、ごぷ……!」
Fの肉棒を突っ込まれて、サラリーマンの精液が妻の口の端から吹き出し、汚らしく頬を伝う。そこにお構いなしで射精するF。ゆきの口の中で二人の男の精液が混じり合う。
「ぁあ気持ちいいよゆき! 全部出す……!」
「んぁが……んぷ……ごぽぽ……んぷ……」
すべての射精を受け止め、涙目で跪く美人妻。その口の中には、男たちの陰茎から発射された大量の精液が溜まっている。一部は溢れて、涙とともに頬を伝う。
ゆきの顎に手をやり、口を閉じさせるF。悲しそうな表情でFを見上げるゆき。見ているこちらが辛くなってくる。Fが何ごとかをささやく。首を振るゆき。またささやくF。沈黙。やがてゆきは、意を決したように目を閉じ、喉を鳴らして、口内の汚濁液を胃の中に流し込んだ。