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転生者
【ファンタジー 官能小説】

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新たなキョウコの登場-1

全てが順調に動きだした感じの現世でも、太郎は武史として、思った通りに欲望のまま生きた。

前世で知り合った、監察官と言う芽衣に下衆な奴だと罵られたが、失敗を恐れたり、考えて
躊躇するような事をして、後悔しか出来なかった初めての人生の反省と、言っても良い。
傍若無人に振舞うと言うのではない、自分に素直に、嘘のない生き方をしたいだけなのだ。
特に女性にだけは、素直に居たい、それが転生者太郎のテーマなのだ。


「局長ッ第3営業部長より、新規の案件で同行の依頼が来ておりますが、いかが致しますか?」
「珍しいね同行依頼とは・・・」
「京子はどう思う?」
「一度同行前にお会いになってお話を聞いてから行かれる方が、良いと私は思います」
「京子が言うならそうしよう、会う段取りを頼む」
「判りました。手配致します」

京子は、少し嫌な予感がした、仕事の事ではない。武史の女として嫌な感じなのだ。

第3営業部会議室で、部長との話し合いが行われた。
部長と局長二人の打ち合わせだ。
「局長忙しいのに悪いね」
「良いですよ(笑)同行依頼と聞きましたが?」
「そうなんだよ(笑)ローズ化粧品との契約なんだけど」
契約前に相手の役員が、契約に参加する事が決まって同行をお願いしたいという事の様だ。

女性が中心の会社で、社長から重要役員に女性が揃う女性パワーの強い会社だ。
若い期待の女性部長が契約相手だが、そこに女性役員の参加、部長としては、役員連中に
慣れた、女性に強い武史に是非とも、同行して欲しいという事の様だ。

「役員に慣れていると言っても、初対面の方ですよね(笑)」
「それは判っているんだよ」
「私で役に立ちますかね?」
「思った事を言ってもらって契約なら良いんだよ」
「一方的な感じで契約だと今後の事もあるからね(笑)」
「空気を読まず会社の言いたい事だけはハッキリ言えと?」
「損な役回りなのは承知でお願いするよ」
「判りました、お手伝いします」
「助かるよ(笑)」
武史への依頼で、仕事は終わったと言う感じの部長だ(笑)

「部長と二人ですか?」
「課長と3名だが、秘書の京子君も連れて行けよ女性相手だ」
「そうですね(笑)何か役に立つかもしれませんね(笑)」
「明日の午後1時に赤坂のホテル会議室だ」
「判りました、細かな事は京子に確認させます」
「よろしく頼むよ」
武史は、面白いと思った。
知り会いである、役員に報告のような仕事でなく、初対面の人間に会社の意向を伝える、
武史がお世辞抜きで話せるのは、楽しいと思った。


京子は営業からの報告で、局長の明日の予定を聞いて、顔を少し歪めた。

参加相手の部長と役員が、女性であることが気になった。
武史に色々と聞きたいが、仕事なのに彼女が嫉妬するようなマネは出来ないと思った。
「京子ッ明日の契約には連れて行くからな」
「私も行くんですか?」
「どうせ・・・相手が女性だと心配なのだろ?」
「ええッとっても(笑)」
「自分で見て確認しろ(笑)」
「ハイ」
京子は嬉しそうに返事した。

12時過ぎ、今日子の運転で、赤坂のホテルに着いた二人は、ロビーで待っていた、課長と
会議室へ向かった。

「局長本日はヨロシクお願いします」
「私が部長のお手伝いができれば良いんだが(笑)」
「部長は今日の契約は局長がいるので大丈夫だと言われました(笑)」
「ハードルが上がったね(笑)」
「いいえ、よろしくお願いします」
京子はいつもより、武史がご機嫌な事が不安だった。
何故、テンションが高いのか理由が解らなかったからだ。

テーブルを挟んで、相手は社員と部長、役員の3名で全て女性だ。
こちらは、課長と部長そして武史の3人だ、京子は入り口のドアの横に立っていた。

名刺の交換で武史の前に座る女性が役員と判った。
「局長さんのお噂は良く社長から聞きます」
「私は玉の輿社員として、有名ですかね(笑)」
「お仕事が出来る方とお聞きしていますわ」
「このような席に参加して座って居るだけですよ」
軽いジャブの打ち合いで、会議がスタートした(笑)。

「京子ッ立って居る事はない座りなさい」
「ハイ失礼します」
「キョウコと呼ばれたので私の事だと思いました(笑)」
「失礼ッ取締役も新田恭子、恭子さんでしたね(笑)」
「私はキョウコと言う名に縁があるようだ」
「そうなんですか?」
「妻が響子で、秘書が京子、運転手が今日子ですよ、そして契約相手が恭子さんですか」
「私の周りは、良い女はみんなキョウコですね、ワハハハハッ(笑)」
「局長ッお仕事ですよッ(怒)」
相手の部長も、京子も少し顔をしかめていたが、武史は気にすることもなく、笑った。

相手の部長と部長は真剣に細かな内容を決めている、役員の恭子も時々、内容に口を出し、
内容の変更を迫った。
部長も仕方なしにと言う感じで、変更したりするが、武史は特別何も言わず聞いていた。

「京子ッコーヒーを頼む」
武史は、契約の大詰めと言う所でコーヒーを注文して、ブレイクさせた。

「見ていると部長ッ美人の役員に甘いですね(笑)」
「第3営業部とローズの契約とは言え、ローズ化粧品ですよ」
「これからローズと我が会社とお付き合いは長くなるのに甘々ですね」
「しっかり言って下さい、厳しい事は厳しいと」
「相手は美人とは言え、取締役ですからね(笑)」
「恭子取締役ッ今回は部長の判断ですから良いですが」
「長いお付き合いになりますから、引けない所は引きませんよ」
武史は言いたい事を言って、来たコーヒーを飲んで、旨いと言っていた。

その後は、部長も困った顔をすることもなく、契約は無事終了した。


帰り際に、相手の部長が京子に何か伝えて、帰って行った。




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