とある刀の物語-2
私は震える手で振り下ろされた
赤い血が舞った
次の瞬間信じられないことが起きた
主が私を用い、自らの首を斬ったのだ
主は力なく倒れ息を引き取った
私は確信した
やはり私はただの人斬り包丁なのだと……
主の最愛の人を斬り、挙げ句の果てにはその主までもを斬ってしまった。
私は誓った
人が私を利用し、人を斬るなら私は己が役目を全うするまでよ……と
そして今日もまた罪人の首を跳ねる
END