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透明な炎
【女性向け 官能小説】

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武藤のベッドで二人で息を整えながらいつまでも抱き合った。


「なんで、離婚してるって言ってくれなかったのよ」
「別に秘密にしてないけど?」
「そうなの?」
「ほかの同期はみんな知ってるぞ?」
「知らないのは私だけ?」

「だろうなぁ。俺が元奥さんと銀座に行くことばっかり妄想してるからだよ」
「え!」
「な〜にが銀座でワンピースだよ」
「・・・・」
「本当にその妄想癖直したほうがいいぞ?」

「な、なんで知ってるのよ」
「お前、ポロポロ声に出てるよ?」
「え!」
「聞こえてないと思ってんの?」
「・・・・」
「あんたって本当にイヤなやつね!!」
「それだけ俺が優秀ってことだろ?」
「ふん!」

「そういや金曜日に部内に流した議事録のメールな?不足部分の補足メール打っといたぞ」
「・・・・」
「仕事はしっかりやれよ?」
「・・・・」
「色ボケしてるとか言われるなよ?俺の評価が下がるからな?」
「・・・・!あんたもね!」

ベッドの中にいるのに話す内容は、いつもの隣の席のようでなんだか不思議。
でもそんな関係が心地よくて私は奴の身体に自分の身体を巻き付ける。

「大好き」
「俺も」

それでも隣の席では決して言わない言葉をお互いに確認してゆっくりとキスをする。


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