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電車
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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電車-1

終バスの出たからっぽのバス停

あたしと君はふたりでゆっくり駅に向かって歩いていました

君はあたしの友達でもあり兄的存在で…

夢に破れたあたしを癒すことのできるのは
あたしのように同じ夢に破れた君だけでした

「どんだけ後悔しても今楽しく生きないとまた後悔することになる…とオレは思ったから、新しい夢を見つけられたんだよ?」

その言葉でどれだけあたしが救われたか
どれだけあたしが自分をまた好きになれたか
計り知れないよ…

その時

あたしは君の傍にずっといたいと思いました


電車で帰ることになったあたしは切符を買って君にさよならをいって改札をくぐり、見送る君に振り返ってホームに上がっていきました


次に君に会う約束はしてない…
お互い忙しいあたしたちはしばらく会えないのは分かっていたのに……

「また会いたいな…」

静かにあたしは心の中で祈りました

駅のアナウンスが電車の遅れを告げました

「21時10分発登り電車は人身事故のため20分の遅れ……」

その時あたしは誰かから呼ばれた気がして振り返った瞬間

「…………!!!?」

息を切らした君がホームの階段の所に立っていました
状況を飲み込めないあたしと衝動的に行動してしまった君だけが駅のホームにいて……

「オレ、あの…さっきのアナウンス聞いて……」
「えっ!?う、うん…えっと……」
あたしも君も電車の遅れという急な展開に翻弄されて
いきなりのシチュエーションに追い付けていませんでした
「しばらく会えないから、お前に会えなくなるから……」
「うん…」
恥ずかしくて目が合わせられなくて、自分の顔が真っ赤になってくのがわかって…
「…お前に会ってだんだんお前がスキになってて…」
「…うん」
君の恥ずかしくて消え入りそうになる声を必死に聞き取ろうとしたけどあたしの頭は回転しようとするのに精一杯で……
「……付き合って…下さい、返事はいつでもい……」
「あのっ、…」
あたしは堪え切れずに君の言葉を遮って口から言葉が零れだしてきました


「えっと……その、、あたしも君がスキだょ…だから…えっと、」

その時あたしは君の顔をちゃんと見ることはできなかったけど君の顔がほころんでくのがわかりました

「……お願いします(照)」
君は堪え切れずにあたしの肩を抱き締めました





帰りの電車の中

窓の中に映ったあたしと目を合わせ
一人にやけるあたしがいました


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