女らしく【08】『新入りとライバルと会議』-3
「えー、話を始める前に二つほど…まずは大和…」
大和が強張る…
「マコトちゃんをしっかり守らんかい!!」
鉄拳制裁。大和の左頬にボクサー並の鋭い右フックが決まる。
言いたかったことってコレか…
大和は脳を揺さぶられ、敢え無くダウン…
博士が近付き……首を横に振る。
ドクターストップにより、試合続行不可能…
「続きまして…稲荷君」
稲荷の顔が引きつる…
そりゃ、あんなの見たら誰だってそうなるよ…
「何、マコトちゃんを傷つけてんだ!」
右ストレート!
しかし、ぎりぎりで躱した!
おぉ!やるじゃん稲荷。
が…
バキッ!
瞬時に間を詰めた撫子さんは、稲荷の懐から……
アッパー!
ふぇ、フェイント!?
カンカンカン!!
何処からともなく試合終了のゴングが聞こえた…
「えー、では話し合いに入りたいと思います」
いいんですか?主賓がK.O.されてますけど?
「いいのよ。ではまず…稲荷君の部屋について」
本当に無視して会議を始めた。
そういや、稲荷も寮暮らしになるのか。
でも、男子の部屋は大和と晴樹が相部屋だから必然的に…
「博士と同室になりますわね」
博士の部屋か…前見た時は水槽の中で変な生物が蠢いてたっけ……
後、明らかに危険そうな薬品が多数…
「我輩は構いまセンヨ?
管狐…実に興味深い素材デース♪ああ…是非ともバラして、変身能力と火炎について研究シタイ♪」
分厚い眼鏡の下で瞳が爛々と輝く。
ご愁傷様…稲荷…短い付き合いだったな。
「後は誰の式になるかだね」
オレのパートナーは大和ただ一人!
「晴樹とはちょっと合いまセンネ」
じゃあ、詩乃みたいに保留か。