揺れる心-1
翌日、裕哉から
『出張から戻ったよ。』
と、連絡が来た。
しかし、
『ごめんなさい、ちょっと風邪をひいてしまって・・・』
と、会うのを断った。
どんな顔をして裕哉に会えばいいのか、分からない。
裕哉を裏切ってしまったこともある。
それ以上に、両手を拘束されて、犯されるようにセックスをしたこと、それで感じてしまった自分が許せなかった。
裕哉は、いつも麻衣を優しく抱いてくれる。
いわゆるノーマルなセックスである。
しかし、溝田は、アブノーマルなセックスを麻衣に求めた。
実際には、両手を縛られたセックスで、今までにないぐらい感じてしまう自分がいた。
また、犯されるようにセックスしたい、と思ってしまう自分がイヤになる。
幸い、4年生なので、大学はほとんど授業がない。
麻衣は、ほぼ家から出ずに、過ごした。
2日後、溝田からラインが来た。
『明日、暇だったら、僕の家に来ない?』
返事をせずにいたら、続けて、
『今度は、島岡さんの両手だけじゃなくて、両足も広げた状態で固定してみたいな。』
と、来た。
麻衣は、心がざわつく。
裕哉という存在があるのだから、一笑に付して断ればいい。
だけど、両手両足を拘束されて、いやらしく身体を触られたい、犯されたい、という願望が芽生えてしまった。
とりあえず、
『明日の予定は分からないので、明日の昼ぐらいに、再度お返事します。』
と、返しておいた。