ちょっとした亀裂-1
<女子大生 麻衣の冒険1からの続き>
日本に戻ってからも、裕哉と麻衣は、月に1〜2度、デートを重ねた。
食事に行って、ホテルに行きセックスをする、というパターンのデートが一番多い。
麻衣は、日を追うごとに、セックスに夢中になっていくのが分かる。
ホテルに行くと、何度も求められることに、裕哉はちょっと食傷気味になりかけていた。
それでも、麻衣のことを可愛いと思っているし、大切に思っていた。
麻衣は、裕哉にもっと会いたい、と思うようになっていた。
月に1〜2回のデートでは、物足りない、と感じるようになっていた。
少なくとも、週に1回、出来れば2回は会いたい、と、思うようになっていた。
そんな麻衣の気持ちとは裏腹に、裕哉は仕事が多忙になっていく。
今の状況を乗り越えたら、管理職への道が開ける可能性もあった。
社会人というのは、ある意味、競争である。
誰が最初に課長になるか、そんな競争が、定年まで続く
もちろん、麻衣はそんなことは分からない。
多忙の裕哉は、大学4年で、ほとんど授業のない暇な麻衣とは、真逆の生活になってきていた。
『来週の約束なんだけど、大阪に出張になっちゃって、会えなくなっちゃった。麻衣ちゃん、ごめん!』
と、裕哉から連絡が入った。
『はい、分かりました。お仕事頑張ってください。』
と、返信はするものの、麻衣はがっかりする。