Marionette Day Dream~Re birth-2
暗転
「なんだ、寝ちまったのか…」
一人ごちて辺りを確認する。夢の中って事はまた「彼等」と会うことになるのだろう
例の如く赫い世界だった。
焼けているのか、ただ赫いだけなのか、それすら認識できないほど一方的な夢だ。
そして「彼等」はすぐに見つかった。否、すぐに引き寄せられた。
そして「彼等」は俺を認識するとすぐに言葉を紡ぎだす。
『君が実行したことは確かに今までの中では「成功」に限りなく近づいただろう』
『でも、あなたが起こした事で私たちが全員救われたわけではないの』
(……何を言ってるんだ?)
4人の内、高校生と思しき少年が軽く頷いて答える
『そうか、君がアレを起こしたとき、願ったんだね。』
(アレ?・・・さっぱり判らないんだけど…)
『忘れているだけさ。若しくは、忘れていたくて記憶を閉じ込めただけなのかもね。』
何故だか、その言葉で胸が抉られた様な感触を覚えた。夢の中なのに、痛みまで感じる…
『あなたは、多分勘違いをしている。』
少女が真っ直ぐに俺を見据えて言い放つ
何故だか、謝罪しなくては、「ごめん」と言わなくては。と思った。
だが彼女は言葉を続ける
『あなたは夢と現実を反転させた。そうすれば此の「世界」から脱却できると思って。』
少年が続ける
『君は僕らにこう言ったんだ「皆失敗したけど。俺なら成功させて見せる!」ってね。』
(……嘘だ……)
赫い世界に亀裂が入った
俺の心にも亀裂が入った
彼らの目は憂いを帯び、俺の目は絶望と悲哀で満ちた
世界が、終わった
夢は夢のまま
赫い世界は視界すら赫く、染めていった
硝子の破片のように脆く、声は届かなかった