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夢と現の狭間の果てに
【OL/お姉さん 官能小説】

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目醒め-8


 女に性欲が無いと思われるのは気に入らない。勿論女にだって性欲はある。
 駅から少し歩けばピンク色の看板があちこちに見られた。男性が性的なサービスを受けられるお店を横目に私はそこを素通りする。
 …卑怯だ。ずるい。今の私はそんな風に思っている。ただ女が入れる風俗店があったとしても、私はきっと入る勇気が無い。

 日も暮れて空が茜色に染まっても池袋の街並みは眩い灯りで空の色も誤魔化してしまう。新潟では空の模様がもっと色付いて見えてた。
 都会での暮らしが慣れてきて、私自身も汚れてしまったのかもしれない。
 すれ違う男の首筋や露出した逞しい腕を横目で見る。性的な目で…。男が女の胸元やお尻を目で追うのと一緒。ただ男ほど露骨に見ない。ふと、軽く視線を向ける。ごくりと唾を飲み込む。
 何とはなしに、胸元のボタンを外して谷間の露出を強調してみた。「あっつい」などと独り言を言いながら手で胸元を仰ぐ。男の視線を集めてどこか優越に浸る。男の興奮が私の興奮を促進する。
 疼きが止む気配は─────無い。

 私は無駄に散策するのをやめて駅へ向かった。自動改札を抜け、埼京線に乗り込む。結局仕事をした後と同じような時間の電車。
 帰宅ラッシュに合わせたのかもしれない。独り暮らしも長く、勿論今は彼氏も居ない。人肌恋しさにラッシュの人混みに身を投じている。
 少し前まではそんな事考えもしなかった。電車の混雑は不快なものでしかなかった。
 私は期待している…ように思う。昨日のような痴漢が現れて、私を無理やり──────

 ぞくりとした。お尻に触れる手が円を描く様に撫でる。本当に、来た。歓喜している自分と後悔している自分が葛藤する。


 「またこの車輌かい?君も好きなんだな」


 痴漢が私の耳元で小さく囁いた。低く、重たい声。背筋が凍る。多分、いや、きっとこの痴漢は昨日の…。
 一度の痴漢で味をしめた痴漢魔は早々に私のスカートを捲り、ストッキングとショーツを纏めてずり下ろした。抵抗を示す暇も「あっ」と言う間も与えられない。そのまま直にお尻や秘裂に手を伸ばし、無遠慮に弄られる。
 膝が震える。奥歯がカチカチと鳴る。
 これ………これ。無理やり男にいいようにされること。いけない事なのに身体だけは素直に悦んでしまう感覚。

 「なんだ、期待してたのか?触る前からグチョグチョじゃねぇか」

 痴漢の囁きが攻撃的で、私は恥ずかしさと悔しさに似た感情が心の奥底から湧き上がる。
 違うと否定したくても濡れているのは本当で、しかもその濡れ方も尋常じゃない。音と男の指の滑らかな侵入がそれを証明している。

 「やめ…て」

 口でせめてもの意思表示。こんな事は本当はされたくない、私は求めていない…と、自分に言い訳しているみたい。

 「やめて?嘘だろ?」

 指が膣の内壁を強く擦る。腰から砕けそうになって後ろの痴漢にもたれ掛かった。

 「お前は続けてほしいんだ。そうだろ?」

 膣内を掻き回す指が力を増していく。乱暴な愛撫に被虐性を煽られて私の腰は段々と浮いていく。
 私は続けてほしいと、本当に思っている?そんな自問は強制的に与えられ続けている快感に一瞬で掻き消されてしまう。

 「次の駅で降りるんだ。悪いようにはしない。いいね?」

 痴漢魔はそう言うと私のショーツやストッキングを履かせて離れた。


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