K絶望-1
黒のワンピースを身に着け帰りのメイクをしている時、寝室から女のあの時の声が聞えた。
(若い子は元気ね。さっきあれほどのセックスをしながらもうAVを見てる。
きっと私ともう一戦なんて考えているのだわ。)
笑いながら寝室を覗き孝二に声を掛けた。
「孝二さん先に帰るわ。今日は色々とありがとう。
でもこの事は絶対に誰にも内緒よ。それに君ともこれでお別れにしようと思うの。」
テレビの画面を見て全身が硬直した。
騎乗位のAV女優が詩織その人だったからだ。
あんなにいい声で泣いた覚えはなかった。
あんなに激しい腰振りをした覚えもなかった。
「撮ったのね。なんて言う卑劣な子なの。」
「当然だよ。でなかったらあのフェラチオの動画返すわけないじゃん。」
「確かカメラのSDカードは抜いたはずよ。」
「あれはダミーのカメラさ。
詩織先生、今のカメラは高性能でコンパクトなんだよ。
テーブルの上に置いたキーホルダーもあのデジタル時計も盗撮用のカメラなんだ。
いろんな角度から先生の嫌らしい行為を撮ったからね。
僕にまたがって僕のペニスを飲み込む先生のおマンコも鮮明に撮れているよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「明日も7時にここのレストランだ。この部屋も予約しとく。」
大急ぎでキーホルダーとデジタル時計をバックに入れた。
「映像はもうパソコンに送ったからそれは先生に上げるよ。
帰ったらゆっくりと鑑賞するんだな。先生凄いよ!」
「今からすぐに君の自宅へ行ってそのパソコンを私に渡すのよ。」
そんな事孝二が了承する筈はないのだが必死だった。
「いや、僕のパソコンじゃないよ。
詩織先生の攻略作戦を立ててくれた山本先生のパソコンだよ。
僕は山本先生のシナリオ通りに動いただけさ。
ダミーのカメラも詩織先生の本性を剥き出すための作戦だってさ。
映像を見て直ぐに返信が来たよ。
詩織先生の見事な肉体。若者にまたがっての激しい腰振り。
可愛い歓喜の泣き声。恐ろしいまでの絶頂の痙攣。
そのすべてが山本先生の気に入ったみたいだよ。
明日7時レストランでは山本先生が待っている筈だから楽しんでね。」
<完>