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女らしく
【コメディ 恋愛小説】

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女らしく【07】『温泉と湯煙と油揚げ』-5

「何だよ大和?」
「マコト…やっぱり、犯人は狐だ。斎藤さん、この土地はご先祖からのものですか?」
「はい」

どういうことだ?

「とりあえず、明日は狐狩りだ」




「なあ…本当に狐なのか?」

翌日、茂みに身を隠し、罠を見張る。

でも今時狐の仕業なんて…

「斎藤さんの先祖は霊能力者だって言ってただろ?」

ああ。

「しかも、竹筒…前に管狐っていう霊獣を使役する能力者がいるって聞いたことがある」

でも、どうするんだ?犯人が管狐だとすると押さえ込めれるのは、使役している一族だけだけど斎藤さんには力が無いし…

「斬るしかないかもな…」

沈んだ表情の大和…
大和の左手が握られた宵闇に力を込める。

スッと刀を持つ大和の左手に自分の右手を乗せる。

「マコト?」
「大丈夫。もしかしたら話の分かる奴かもしれないし、それに聞き分けのない奴はオレがぶん殴ってでも聞かせる!」

いつも勇気づけられてるから、今回くらいはオレが勇気づけてやるよ♪

「………」
「どした?」
「マコト…ありがとう」

ニコッと微笑みを零す。

……っ!何だよいきなり!?て、照れるだろ♪

もう…大和の馬鹿♪

ザワッ…

いきなり辺りの気が変わった。

「来たぞ…」

風が逆巻き、敵が姿を見せる。
オレ達の目の前に躍り出た相手は、狐といってもセントバーナードくらいはあるんじゃないかと思う巨体だった。
しかも、揺れるフワッとした金色の尻尾は二本。
確実に自然界には存在しない異形…管狐…


息を殺し、機を窺う…
そして…

「今だ!」

地を這う蛇の様に、霊力を通したロープを自在に動かす。

管狐は突然のことに戸惑い、見事に縛り上げられる。

「よし!」
「まさか…本当に油揚げで釣れるとは…」

作戦はこうだ。
大量の油揚げを撒き、その近くにロープを隠して、管狐が来たら縛り上げるという単純明解なもの。


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