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女らしく
【コメディ 恋愛小説】

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女らしく【07】『温泉と湯煙と油揚げ』-4

「マコト!大丈夫か!」
「ああ…」

はだけた浴衣を急いで直す。
やっぱり大和に限ってそんなことあるわけないか…
何か…残念……

「用心しろよ…」
「ごめん…」

確かに油断したオレも悪かったけど…大和に愛してるなんて言われたら…

「アレ…何だこの毛…」

大和はオレの髪についた一筋の黄色の毛を手に取った。

「さっきの奴のか?正体は金髪?」
「何か…金髪っていうよりは、動物の毛みたいだ…狐だったりして?」

………まっさかぁ!

でも旅館の人の話を聞いた方がいいか。



「すみません…ちょっと聞きたいんですが…」

斎藤さんに聞いてところ、被害状況は以下の通りだ。

被害その?
当然部屋に浮かぶ火の玉。

被害その?
偽者または、幽霊が出る。

被害その?
夕食に出すはずだった油揚げが消失。

…本当に狐かも…

「被害その?は狐の仕業としか考えられないな…」

本当に狐って化けるんだ…

「被害はいつからでしたか?」
「半年前ですよ。駐車場を新しくしてからでしたので」
「その時に何か起きませんでしたか?例えば何か壊しただとか」

…よくある話で工事で塚や神木を切ろうとしたら不可解な事件が起こったとか…

しばし虚空を見上げ、半年前を思い返していたが…

「いいえ…何にもありませんでしたよ」

う〜ん…やっぱり簡単にはいかないか……

「そういえば…工事中に竹筒が出てきましたねぇ」

竹筒??

「その竹筒は今何処に?」
「さあ?現場の方が棄てたっきりですから」

何にも手掛かり無しか…

「そういえば、斎藤さんは前園学園長とお知り合いなんですよね?
斎藤さんもそういう家系なんですか?」
「はい。先祖は霊能力者ですが、もうその血は薄く、私には力が無くて…」

その時、大和が袖をくいっと引っ張った。


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