真紀子の部屋で-1
結局、小松原は、真紀子のベッドの上で、2度もセックスをしてしまった。
そして、セックスの後、小松原は、不覚にも眠ってしまった。
しかし、真紀子はもの凄い幸福感で包まれていた。
小松原が自分の名前を呼びながら、果てたのである。
正常位で、自分の身体をぎゅっと抱きしめたまま、名前を呼びながら、小松原は果てた。
このことが、とにかく嬉しかった。
セックスで、身体も気持ち良くなって、そして心も満たされる、そんな感じである。
小松原が、ふと目が覚ましたとき、台所で食器の音が聞こえてきた。
見ると、真紀子が、ブラジャーとパンティだけの格好で、食事を作っていた。
真紀子が作ってくれた晩ご飯を、一緒に食べる。
野菜炒めと、みそ汁、ご飯、という質素なものだが、小松原は、大満足した。
『もし良かったら、今度、私の家に、食事を作りに来てくれないか?』
と、真紀子に言ってみる。
『え、喜んで伺いたいのですが、私が行って、お邪魔ではないですか?』
『全然、構わないよ、気ままな一人暮らしだしね。』
真紀子は、小松原が独身なのを不思議に思った。
その表情を感じとってか、小松原が話し出す。
『こういう仕事だからね、若い頃から海外を飛び回っていた。それで婚期を逃したんだな(笑)』
『え〜〜?』
『まぁ、私にあまり結婚願望がなかったのも事実なんだけどね。』
『当時の上司から、縁談の話とかは、なかったんですか?』
『不思議なぐらい、なかった(笑)』
続けて、小松原が言う。
『とにかく、仕事が楽しかった。出世とかとは別に、自分の力で、何十億もの商品を右から左へ動かす、この醍醐味にとりつかれていたんだな。』
『今は、結婚願望とかはないんですか?』
『無い訳ではないけど、今更という感じもするしね。』
今度は、小松原が質問を浴びせる。
『真紀子君こそ、結婚願望はないの? と言うか彼氏は?』
『彼氏はいません、結婚願望も、あまりないです。』
『変な言い方だだけど、彼氏が出来たからといって、別に私に報告する義務はないし、私との関係を遠慮なく切ってもらって構わないからね。』
真紀子がちょっと寂しそうな顔をする。
『私は、まだ若い真紀子君の人生の邪魔はしたくないんだ。特に意味はないよ。』
ちょっと暗い空気になったので、小松原が話題を変える。
『真紀子君、ちょっと言いにくいんだけど、もう捨てようと思っている下着はある?』
『あっ、はい、ちょっとクタクタになってきたものが、いくつかありますけど、、』
『それを私にくれないか?』
真紀子が不審に思う。
元々は、常務がお金を出して、
『これで、買えるだけ買ってきなさい。』
と、言ってくれたものである。
『はい、構いませんけど、、』
と、答える真紀子。
『実はね、気持ち悪いと思われるかもしれないけど、家に帰ると、よく真紀子君を想像して、オナニーしてるんだ。』
そう言われて、真紀子は気持ち悪いとは感じなかった。
『申し訳ない・・』
と、小松原は謝る。
『とんでもないです、光栄です。』
『それで、その、、真紀子君の下着を見て、オナニーをしたい、と思ったんだが、ダメかな?』
真紀子は複雑な気持ちになりつつも、嫌悪感はなかった。
自分の身体に欲情してくれて、下着まで欲しい、というのは女として、なんだか誇らしい気持ちにさえなる。
タンスの中から下着をいくつか取り出し、紙袋に入れて、小松原に渡す。
『下着だけでいいですか?』
と、真紀子が聞いてくる。
『うん?』
『えっと、、ストッキングとかは・・・・』
『もし捨てるようなものがあれば、欲しいな。』
本当は、
『オナニーするぐらいなら、私の中に出して欲しい。』
と、真紀子は、言いたかったが、さすがに口に出せるセリフではない。
『ありがとう。』
と言って、小松原は帰って行った。
<小松原常務の道楽 最終章へ続く>