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七日目のプール
【青春 恋愛小説】

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青と赤-2

果てしない、あたしが一生で決して辿り着くことなんて無い世界。
どこか涼と重なる。
ああだからこんなにも懐かしいんだ。


でも今、あたしが絶対の自信を持って言い切れることは。


「涼はきっと…」

あたしの事なんて考えていない。あたしはこんなにも焦がれているのに。

「分かってはいるけど、言葉に出すと…ちょっとね…」

海水と同じ成分の雫が水面に落ちた。


「馬鹿みたい…」





悲しくってもお腹は減る。間抜けなお腹の虫に導かれて、砂浜へと戻った。


「あ、美音!食べる?」

綾子がパラソルの下、焼そばを食べている。
その横では早苗がフランクフルトにかぶりついていた。


「うん、食べる」

何か胃に入れないと、現実に負けてしまいそう。もぐもぐと味わいながら、人であふれ返る海を見た。


「また泳いでくるけど神崎も行く?」

頭に水中メガネをかけていかにもやる気まんまんな同じクラスの男子が聞いてきた。

「ん?荷物番してるから行っといで」

あたしがそう言うと「じゃあ頼むな」と言い残して海へと駆けていった。みんなの背中を見ると日焼けで赤くなっていた。




「ふー…」

大きく伸びをして空気を吸い込む。なんだか暑いのに眠たくなってきた。


「泳がないの?」
「えっ?…あっ、う…うん」

後ろから急に声がして、振り返ると裕也だった。あたしの横にストンと座り、しばらくして口を開いた。



「急にだけど、聞いていい?…なんで柏木と、あんなことしたの?」

裕也に今までこんなにストレートに聞かれたことなんてなくて、戸惑いつつも少し間を開けてから答えた。

「…昔からね、涼のことが好きだったの」

「…そう」

裕也の横顔を盗み見すると悲しそうな瞳をしていて、また胸が痛んだ。


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