神は何処にいる?〜神の行方前編〜-2
暗いホールに信者が集う。
「闇は痛みを喰い、
火が身を改める。
火よ、自らの火よ。
留まる者よ。
闇に闇間に輝きたまへ。」
呪文のように皆唱えている。
セイジは汝席と呼ばれる代表者の席へ着いた。
会場にどよめきが湧いた。
一人ずつその壇上に上がりセイジに話しかける。
中には涙を流す者。
興奮のあまり嗚咽を流す者、卒倒する者もいた。
セイジは一通りザクションを行い、部屋へと戻った。
人は痛みを抱えていきている。
生きる事は痛いこと。
この痛みが生きている証だとセイジは信じていた。
そして
痛みを癒せない者たちは
虚構の神を崇め、擦り付け、信じていくことで癒されていく。
虚構も信じる事ができれば神にも悪魔にもなる。
ザクションはそんな事をセイジに教えてくれた。
部屋に入り仮面を取り腰を降ろした。
その時……
ドン!
後頭部に激痛が走り
セイジは意識を失い倒れた。
セイジはまだその時は宗教の持つ恐さに気付いていなかったのだった。