艶之進、気張る肉刀-8
そして、溢れているのは白濁した汁だけではなく、凜の喘ぎ声もだだ漏れになっていた。端正な顔は上気して淫らなものとなり、男二人掛かりの攻めの効果が十分に現れていた。
「ああんっ……だめえっ………。ううんっ……もっとぉ…………。あはっ、いやあ……」
いいのか悪いのか、どっちつかずのあへ声を延々と漏らし、目はトロンとなっている。それもそうだろう。膣奥のこつぼ(子宮)を艶之進の長魔羅がズムズムと押し込み、肛門奥を突く二倫坊の火魔羅が間接的にではあるが、これまたこつぼを刺激しているのだ。二重の衝突愛撫で、凜の子宮は濃密な快味がどんどん蓄積し、絶頂という臨界は目前だった。そして、
「あっ、…………だめっ!!!」
鋭く吠えて女体が激震した。すこぶる顕著な逝きかたである。
すかさず見届け人が紙に「二度目」の戦績を記す。
「うっ…………」
ここで、艶之進、二倫坊の両名が似たようなうめき声を同時に発した。凜の激烈な絶頂時における強烈な膣・肛門の締め付けにより、男どもがあえなく射精してしまったのだ。
しかし、り組の牡二人は穴から魔羅を抜くことなく、互いに目配せし合った。
『このまま交情を続けようぞ。二倫坊、いかがかな?』
『おう、粋じゃねえか。やってやる。おれの火魔羅は、へこたれ知らずだぜ』
精液を漏らしはしたものの、凜の膣肉の、もっと欲しいというような「さんざめき」も手伝って、萎えかかった二人の魔羅は、すぐに張りを回復した。
いわゆる「抜かずの連発」を決行することになった艶之進と二倫坊だが、攻められる凜は休む暇もなく、また突き入れが始まったので少々驚いた。しかし、薙刀の鍛錬を毎日のように行っている武闘派腰元である。「抜かずの連発」を甘んじて受けることを快諾。
「かくなるうえは獅子奮迅の突きを繰り出し、わたくしを狂い逝きさせてくださいまし!」
身体を挟む上下の男どもへ令達し、自らも盛んに腰を振り立てた。
り組の腰元の勇ましい言葉を耳にして、力蔵は冷酒を舐めていた右手を止め、左手の煙管(きせる)をグッと伸ばしながら小夜之丞へ言葉をかけた。
「おいおい、やさ男さんよ。対戦相手は必死になってきたぜ。そんな悠長な腰振りじゃあ、逝かせる数を挽回されてしまう。魔羅をもっと激しくぶちこみな!」
しかし、小夜之丞は急くことなく、まったりとした腰づかいで蘭を相手にしていた。
「おい、やさ男! もっと激しくしろってんだ!」
怒鳴られても、小夜之丞は聞き入れず、太平楽な腰振りのまま……。
とうとう力蔵は盃と煙管を投げ捨て、わめく。
「言うことを聞かねえやつだな。……おれの魔羅はもう立ち直った。そこをどけ。女から離れろ。おれにやらせろ!」
「うるさいねえ。あたしにはあたしの流儀ってものがあるんだ。口出し無用に願います」
「なんだと、この、青びょうたん!」
二人の口喧嘩をよそに、蘭は小夜之丞の巧みな三所攻めによって気分が高まり、五度目の逝きを迎えようとしていた。
そこへ突然、力蔵が荒々しく闖入し、小夜之丞の痩身をひっつかんでガバッと蘭から引き剥がした。やさ男の魔羅がスポーンと開(ぼぼ)から抜けたが、その女陰が間欠的にひくつき、「あああーーーっ!!」と蘭が熱く悶えたので、見届け人は、ら組の紙に五度目の逝きを記録した。
布団から緋毛氈へと転がった小夜之丞を尻目に、力蔵は蘭にのしかかり、自慢の真珠魔羅を突き立てる。
「それそれそれーーー。せいや! そいや! せいや! そいや!」
まるで神輿を担いでいるような力蔵の掛け声。いきなり遠慮会釈のない突き入れである。小夜之丞の腰づかいとは全く別物。流れの緩やかな淵から早瀬へ様変わりしたかのように感じる蘭だったが、女陰は十分にこなれていたので、太魔羅の連突きにも十分対応し、力蔵の入れ墨の施された背中へ白い両脚を絡め、積極的に快楽を貪ろうとした。
さて、この三戦目の戦績は、今のところ「ら組 五」に対し「り組 二」であった。刻限まではあとわずかである。このままでは力蔵・小夜之丞組の勝利となってしまうが、「抜かずの連発」になだれ込んだ艶之進・二倫坊の追い上げたるや、凄まじいものがあった。
剣ならぬ肉刀の冴えを見せる艶之進は、嵩(かさ)張った亀頭で膣道を掘削し、長茎を利して膣奥をめった突きにして凜に汲めども尽きぬ喜悦を与える。肉棒の背面に火の字のでこぼこがある火魔羅の二倫坊は、四十なかばという年齢にもかかわらず激しい腰のしゃくり上げで凜の肛門にただれた快味を生じさせている。
「うううっ……、うううっ……、うううっ……、うううっ……、うううっ……」
凜の漏らす濡れ声は甲高いものから低い胴間声へと変わり、目はうつろになっている。だが、腰振りは激しく、男二人の動きとぴったり連動していた。そして、
「ぐああああっ…………、い……、いぐっ!!!!」
総身を痙攣させて激しく絶頂。り組、得点獲得。
しかし、二匹の牡の交接はやまず、凜にさらなる悦楽を植え付けようと腰を激振り。
「いやあっ! ……だめぇっ! …………また、いくうぅーーーーーー!!!!」
凜、続けざまの絶頂である。
この展開を知った力蔵は内心焦った。だが、己の真珠魔羅を信じ、苛烈な突き入れを繰り返す。環状に埋め込んだ球の摩擦効果をたのみ、執拗なゴリ突きを連発する。
「ああああっ…………い、いくいくいくぅーーーーー!!!!」
これは蘭の激しく登り詰める声だった。
そのすぐ後に、
「んあああっ…………いやあっ、またいく、いく、いっくーーーーー!!!!」
凜の随喜の声が鋭く響く。