『THE ENDLESS』外伝〜光羽編第三章-3
「しまった…ミリア!」
俺はミリアの元へ急いだ。誰かが後に続く気配がした。
「待って下さい、マスター!」
「蓬莱か。お前も来い!!」
ミリアは負傷し、倒れていた。俺は止めを刺そうとする奴をシールドで防ぎ、ミリアを担いで逃げた。
「蓬莱、後は頼んだ!」
「お任せ下さい!」
蓬莱とすれ違い様に言葉を交わし、急ぎ味方側へ転がり込んだ。ミリアを降ろしすぐに回復を試みる。
「!魔力が尽きた…」
さっき使い過ぎた所為か、途中で魔力が尽きてしまった。生憎回復アイテムも持っていない。
「誰か回復を……」
しかし誰も来ない。全員戦いに目がいっている。
「う…」
「目が覚めたか?」
「マスター?」
「どうやら魔力が尽きたらしく、これ以上回復はできない。立てるか?」
ミリアは立とうとしたが、すぐにへたり込んでしまった。
「戦闘が終わるまで待つしか無いな」
暫くして歓声が上がり、味方が完全に勝利した事が分かった。
「行くぞ。皆と合流だ」
「まだ歩けません」
「何とかならないのか」
「じゃあ負って下さい」
「仕方無いな…」
俺がミリアを負って歩き出すと、すぐに鋭刃とシエルが見つかり、それに続き蓬莱が見つかった。
「誰も回復アイテムを持ってないのか」
「マスターを当てにしてたっスから」
「あきれた奴等だ…颯葉はどうした?あいつの事だから無事だよな?」
あまり不安がるのもみっともないか…
「誰か捜して来……」
「光羽、こんな所にいたのか」
「それは俺の台詞だ。あまり離れるなと言っただろう。それより、お前は回復アイテム位持ってるよな?」
「勿論だ。ほら」
ミリアはそれで回復し、一人で立ち上がった。
「颯葉さんありがとうございます」
「礼などいらん」
「…とにかくまた全員生き残ったな」
「マスターって才能あるのかも」
「俺もそう思います」
「私も…」
「然り」
「多分だがな」
「……」
笑みを抑えるのが非常に難しかった。