多目的トイレのひととき-1
ここはデパートの多目的トイレ。
おむつを濡らした唯が、ベッドの上で横になっている。
「おしっこも我慢できない赤ちゃんの唯ちゃん、おむつ替えようね〜」
遥がやさしく唯に話しかける。
恥ずかしいのか、股を手で隠す唯は、遥に指示されても、股から手を除けようとしない。
そんなことする子にはお仕置きをしなくちゃね、と遥が囁く。
すると、鞄の中から2本の麻縄を取り出し、その片方で唯の手を縛り、さらにそれを唯の頭の近くにある手すりにくくりつけた。
「なにするの!」
じたばた暴れる唯を気にも留めず、遥はテキパキと、また楽しそうに唯のおむつを外していく。
おむつが外され、唯のそれがあらわになったとき、遥は呟いた。
「ごめん、唯、替えのおむつ忘れちゃった」
もちろん、用意周到な遥が替えのおむつを忘れるわけがない。
鞄の中にはまだ新しいおむつが残っている。
「どうするのよ……」
唯は顔を青くして、そうこぼした。
遥は、外したおむつをベッド際の机に置き、仕方がないか、と呟きながら立ちあがった。
それを見た唯は焦りながら、どこに行くのと問う。
すると、遥は突然、備え付けのゴミ箱をあさり出した。
気でも狂ったのかと心配する唯。
あれでもない、これでもないと、ゴミ箱の隅々まで探す遥。
遥は何を探しているのか。
その答えは、遥の「見つけたよ」という声とともに明らかになった。
唯の見間違いでなければ、遥の右手には、使用済みのおむつがある。
「冗談……だよね……?」
そう尋ねる唯に、冷酷にも遥は言う。
「なんだ、唯にしては察しが悪いな。替えのおむつがないから、唯にこの誰が使ったかもわからない使用済みのおむつをつけてあげるんだよ」
遥は、語尾を上げ、楽しそうにそう言う。
使用済みのぐちゃぐちゃになったおむつを持ちながら、だんだんと唯に近づいてくる。
「嫌!!やめて!!」
そんな声も虚しく、遥はぐちゃぐちゃになったおむつをゆっくり、まるで見せつけるかのように、唯につけてゆく。
唯には、永遠にも感じられるような不快な時間だった。
最後のテープをとめた遥は、誰のかもわからない排泄物にまみれた唯の股を撫でる。
ぐちゃぐちゃのおむつをつけられ、不快感に支配された唯を見て、遥はほくそ笑んだ。
それでも満足していないのか、遥はまるで悪魔のような、冷酷な声で唯に問う。
「まだ足りないよね?」
「そんなわけないでしょ!外しなさい!」
唯がそう言うが、もちろん遥は聞く耳を持たない。
「唯は素直になれないんだね……そんな赤ちゃんにはお仕置き、しなきゃね」
口角を上げながら遥が言う。
すると遥は、机にある外したばかりの唯のおむつを手に取る。
「やめて……」
なにをされるのか見当がついたのか、蚊の鳴くような弱々しい声で唯が言う。
まるでその声が聞こえなかったかのように、遥はゴミ箱に捨てられていたぐちゃぐちゃのおむつの上に、重ねて唯の使用済みおむつをつけた。
やっとこれでおしまいかと、安堵する唯に遥は言い放つ。
「まだだよ」
「お仕置きなのに、このおむつを外されちゃ困るからね」
そう言いながら、遥は残っていたもう片方の麻縄で、おむつを縛った。
唯に快楽を与えるために、何度か麻縄を引く。
そして縄をきつく引いた状態で結んだ。
「これで外れないよ!よかったね、えっちな赤ちゃん!」
支配感に笑顔を浮かべる遥。不快感に涙を浮かべる唯。
「じゃ、行こっか」
遥は唯の手の縄をほどきながらそう言う。
しかし、おむつが不快なのか、唯は動こうとしない。
遥によって、多目的トイレが開錠されるのは、すぐあとの話である……。